2018 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of interactive system among social consideration factors in waste management
Project/Area Number |
15K00660
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
三宅 博之 北九州市立大学, 法学部, 教授 (60211596)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ガバナンス / カウンシラー(市会議員) / 地区内廃棄物管理 / 環境教育 / 区清掃管理官 |
Outline of Annual Research Achievements |
都市廃棄物管理を見る際にはガバナンス概念が重要になってくる。中でも、開発途上国の場合は社会配慮的側面が軽視されがちであるので、同側面への研究が必要となり、それらをガバナンスの中にどのように連関づけるのかが重要となっている。 本研究は、テロ事件の影響により、1年間延長したが、最終年度は、これまでのバングラデシュ・ダカの廃棄物管理事業の社会配慮的諸要素調査の中で調査結果を十分揃わせることができなかった分野の追加調査を行った。ガバナンス面と環境教育政策面である。特定地区を選択し、カウンシラー(市会議員)、同区清掃管理官、住民組織や学校などのアクターへのインタビュー調査を行った。その結果、区内の廃棄物管理に関してはカウンシラーに絶大なる権限があり、そのもとに様々なアクターが関係を持っていた。しかし、権限の強さゆえに、自由に議論をぶつかり合わせるということは難しい。よって、社会配慮的要素の中でも社会的経済的弱者とみられる清掃人や有価廃棄物回収人への差別や偏見を除去するような取り組みは行われていない。そのことは、廃棄物を取り巻く人権問題や3Rを含む広義の環境教育が学校でも実施されていないことに関係する。学校だけでなく、地域社会全体に環境教育の結果としての環境に配慮した社会を作るといった積極的な動きや考えは現れてはいなかった。この背景には、中央政府の環境森林省や教育省が、環境教育に関する基本政策・方針を打ち立てていない事実があった。調査では、環境NGOには聴き取りができたものの、政府や市役所レベルでの環境教育の担当部署を発見することはできなかったし、同様に担当部署が作成している政策・計画も書面として見つけることができなかった。その意味では、ダカでは社会配慮的側面を組み込んだ廃棄物管理事業が実施されていないと言える。
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Research Products
(1 results)