2016 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の熱中症予防に向けた住まい方スキルの形成に関する研究
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15K00769
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Research Institution | Kio University |
Principal Investigator |
東 実千代 畿央大学, 健康科学部, 教授 (10314527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 啓子 畿央大学, 教育学部, 教授 (10382300)
萬羽 郁子 東京学芸大学, 教育学部, 講師 (20465470)
濱田 信夫 大阪市立自然史博物館, 学芸課, 外来研究員 (40270764)
佐々 尚美 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (50379525)
磯田 則生 奈良女子大学, その他部局等, 名誉教授 (60016871)
久保 博子 奈良女子大学, 生活環境科学系, 教授 (90186437)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者 / 熱中症 / 生活習慣 / 住まい方 / 温熱環境 / 温冷感 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、高齢者への暑熱回避行動を促すためのツール(室温変化を色で表現)配布による行動変化に関する調査を実施した。 これまでの被験者のうち19名を2群に分けて介入調査(ツールの配布および熱中症関連の情報提供)を行い、人体周囲温湿度、衣服内温湿度、活動量を測定し、日常生活行動、エアコンの使用状況、摂取水分量、OSA睡眠調査等のアンケートを実施した。 まず、ツールの精度を検証するため、人工気候室の温度を25℃から34℃まで変化させ、ツールの色変化を撮影し、色差計で測定するとともに、高齢者疑似メガネを通して見た場合も同様に検証した。温度が30℃を超えるとツールの色は顕著に変化し、高齢者疑似メガネを通しても色変化を識別できると判断した。 介入群には調査開始前にツール配布および情報提供を行い、非介入群にはすべての調査終了後に配布、提供した。ツール配布により被験者の7割が意識の変化があったと回答し、一日に何度がツールを見て室温の高さに気づくきっかけとなっていた。居間、寝室滞在時のエアコン使用率は介入の有無より個人差が大きいものの、平均するとやや介入群の使用率が高い傾向があり、水分摂取量にも同様の傾向がみられた。 さらに、平成27年度に引き続き、暑熱対策に欠かせないエアコンにおけるカビ汚染の実態を調査した(19台)。今年度は設置室の温湿度環境を測定し、管理・使用状況も調査した。好温性カビは一般カビが多いエアコンからの検出頻度が高い傾向があり、一般カビの抑制が好温性カビの抑制にも寄与すると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りの調査を実施し、得られたデータの分析も順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで夏期を中心に調査データを取得してきたが、近年は春期に急に気温が上昇する傾向があり、本格的な夏を迎える前の生活習慣や生活環境の実態把握も熱中症予防には重要である。よって、平成29年度は晩春から初夏のデータを取得し、研究を総括する予定である。
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Causes of Carryover |
最終年に晩春から初夏にかけて調査を実施するため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記調査のための被験者謝礼および消耗品の購入費に充てる。
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