2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K00902
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
李 云善 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教 (90449950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 祐也 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 助教 (30721716)
葛西 宏 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 名誉教授 (40152615)
河井 一明 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (60161262)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 糖尿病 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化ストレスは糖尿病の発症及び合併症の進展に関連することが報告されている。本研究は、ウメの抽出物を用いて、抗酸化作用と降血糖作用両方から、ウメによる糖尿病改善のメカニズムを検討することを目的とした。27年度は、1.ウメの抽出物の抗酸化能評価;2.ウメの抽出物をラットの膵臓細胞に処理し、in vitro実験でウメの抗酸化作用及びインスリン分泌の影響の検討を行った。その結果、1.烏梅はウメの果実並びにエキス(果汁加熱濃縮物)に比べて顕著高い抗酸化能を持つことが分かった;2.ウメの水及びエタノール抽出物をラットの膵臓細胞に処理した結果、烏梅抽出物の抗酸化力はウメの果実抽出物より高いことが分かった。さらに、ウメエキスの抽出物も高い抗酸化力を示した。一方で、細胞のインスリン分泌を高める傾向は烏梅のエタノール抽出物にのみ認められた。以上の結果は、ウメの生の果肉に比べ、ウメを加熱処理することにより抗酸化力が高まることを示唆し、今後のウメの抗酸化作用に基づく糖尿病改善への利用に関しての重要な情報を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、抗酸化作用と降血糖作用両方からウメの糖尿病改善効果を検討することを目的としているが、平成27年度は、in vitro実験でのウメ抽出物の抗酸化活性およびインスリン分泌の影響の測定により、烏梅およびウメエキスの抽出物に高い抗酸化能を認め、糖尿病改善効果が期待される。今後、動物実験により検討したい。以上については研究の目的を概ね達成している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、in vitro実験を進行している。これを完成した後は、平成27年度に得られた結果を基にして、2型糖尿病モデルマウスを用いて、ウメ抽出物の抗酸化能及びインスリン分泌改善効果について検討を進めたい。具体的には、マウスの血糖値(インスリン負荷実験と糖負荷実験)、酸化ストレス指標、インスリンへの影響等について評価を行う。これらの結果から、ウメの抽出物の生体内の抗酸化活性と糖尿病改善効果を評価したい。
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Causes of Carryover |
試薬が安価に入荷でき経費削減できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験試薬及び消耗品等に有効に使用する。
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