2015 Fiscal Year Research-status Report
科学概念と生活とのつながりを意識させる小・中学校理科教材モジュール集の開発
Project/Area Number |
15K00917
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
広木 正紀 京都教育大学, その他部局等, 名誉教授 (30115977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 忠幸 京都教育大学, 教育学部, 教授 (20314297)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 活動教材モジュールの開発 / 基本的・基礎的科学概念の選択 / 理科カリキュラムの再構築 / 有用性を意識できる学び / 生活とのつながり / 自然とのつながり |
Outline of Annual Research Achievements |
一般市民にとって生涯有用な基本的・基礎的科学概念(以下「リテラシーとしての科学概念」と呼ぶ)の資料を検討し、教材モジュールのテーマ設定をした。 1.1)現行理科のカリキュラム資料として、①現行の小学校と中学校の学習指導要領(文部科学省 2008)、および②文部科学省検定済小・中学校理科教科書および小学校生活科教科書を用いた。2)日本の過去および海外の教材・カリキュラム資料については、大学図書館や公立図書館での調査、Webからダウンロード、郵便での入手に加え、研究従事者(代表者および分担者)によるこれまでの研究成果物を活用した。 2.1によって挙げられたリテラシーとしての科学概念が、現在の日本の小・中学校理科のどの単元で扱われているかを整理した。 3.2を踏まえ、リテラシーとしての科学概念が関わる、特に衣・食・住や災害対策への意識・認識とつながる、本研究で開発していく教材モジュールのテーマの設定作業にとりかかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.研究始動に関わって 研究の“基地”となる大学配置研究室の整備や、予算執行手続き方法・手順等の習得などハード・ソフトの両面で、研究活動を軌道に乗せるのにやや手間取ったことで、平成27年度に予定していた海外訪問を延期するなどした。資料は、大学図書館や公立図書館での調査、Webからダウンロード、郵便での入手に加え、これまでの研究活動によって既に手元にあるものや成果物も利用した。 2.基礎的科学概念選択の視点の追加 教材モジュールの開発にあたり、リテラシーとしての科学概念を選択する視点として、当初の計画では「生活とのつながり」だけを挙げていた。しかし大きな天災が多発している近年の状況下、サバイバル的な見方を育てることの重要性にも鑑み「自然とのつながり」の視点を加えることにした。 上記の2点について、研究の進展が当初の計画そのままでない部分もあるが、進捗状況は概ね良好と捉えている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.平成27年度に選んだリテラシーとしての科学概念が関わる、特に衣・食・住や災害対策への意識・認識とつながる教材モジュールのテーマを定める(50前後)。 2.教材モジュール(教師向け)を作成していく。 1)その際、モジュールの基本項目は、「テーマ」「意義・位置づけ(生活とのつながり・自然とのつながり)」「場所や季節」「所要時間」「準備物」「展開(学習の方法・順序)」「現行カリキュラムにおける実践の場の例(教科・学年・単元など)」「留意事項」とする。 2)モジュール作成には、研究代表者や分担者のこれまでの研究成果を中心的に活用するが、必要に応じ、文献情報も手がかりに観察、実験、物づくり等を実際に行い、材料や方法の適切性を検討しつつ行う。 3.教材モジュールに関わる、海外視察を含めた国内外の教育実践や実践者の意見・実践等を通した推敲を経た上、科学概念の系統性を考慮したモジュール集を作成する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた主因は、海外視察を延期したこと(視察先を斬新な知見を入手する観点から再検討)と、研究代表者用のパソコン購入を延期したことである(当面、既存機種を使用)。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
主な使途として、1)海外視察、2)パソコン(上位機種)の購入、3)研究目標である「教材モジュール集作成」の土台となる、これまでの研究成果をまとめた「教材モジュールの素材とカリキュラム骨格案」の冊子化を予定している。
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Research Products
(7 results)