2017 Fiscal Year Research-status Report
高等専門学校における系統的なキャリア教育システムの構築と実践、及びその効果の検証
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15K00945
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Research Institution | Gifu National College of Technology |
Principal Investigator |
稲葉 成基 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 名誉教授 (30110183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
所 哲郎 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10155525)
羽渕 仁恵 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90270264)
田島 孝治 岐阜工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (90611640)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | キャリア教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
中学を卒業後、5年間の一貫教育を受ける高等専門学校には、実践的技術者を育成するための教育課程が用意されている。一方、通常の授業では補うことができないキャリア教育は適宜実施されているが、系統的なものではない。本研究では、キャリア教育で養成すべき能力を定義し、これを5年間で系統的に養成する教育システムを構築し、実施する。養成すべき能力の評価方法・評価基準を定め、その達成度を定量的に把握させる。また、キャリア教育に学生が受け身の態勢で臨んでいては効果的でない。現在実施している別の教育システムと連動させ、学生が自主的・継続的にキャリア教育に取り組んでいく総合的な教育システムを構築、実践し、その効果を定量的に検証して、スパイラルアップさせる。 五年間の研究計画に基づき、これまでに、3分類8種類のキャリア能力を定義し、これらを系統的に養成する教育手法として、研究代表者が考案した実践技術のポイント制度、創成型実験及び各種講演会を柱とする教育システムを構築した。平成29年度は以下のように研究を実施した。 1)構築したシステムに基づき、第1学年、第2学年及び第3学年でキャリア教育を実施し、能力を評価した。第4学年及び第5学年でも前倒しで実施した。 2)第1学年及び第2学年の講演は、教員及び専攻科学生が行った。第3学年では外部講師による講演を初めて実施した。 3)実践技術のポイント制度は20年近く実施してきたが、取得したポイントの年度別変化の状況には、これまで大きな変化は見られなかった。しかしながら、最近3年間で初めて変化し増加していることが確認できた。 4)系統的なキャリア教育の構築理念及び実践状況について、日本工学教育協会の年次大会で発表し、社会に公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
キャリア教育の養成のための、実践技術ポイント、創成型実験及び講演会の実施を計画にどおりに忠実に実施している。また、それらの評価もしている。評価に基づき、システムの検証を行い、改善も実施している。実践技術ポイントの取得が、これまでよりも多く取得されていることが明らかになった。学会での発表により、これまでの研究状況及び成果を社会に公表している。しかしながら、システムを実情に合わせて検証している関係で、個々の学生のポートフォリオを含むサーバーシステムの最終バージョン完成していない。平成30年度には完成させる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
系統的なキャリア教育の構築と実践及びその効果の検証について、逐次、点検しながら実施している。今後も、当初の計画通りに実施していく予定である。 実践技術ポイント制度をシステムの一つの柱として導入しているが、これまでにないポイントの増加が確認されている。ポイント制度は同時期に、大学教育再生加速プログラムにも導入されているので、ポイントの増加がAPによるものか系統的なキャリア教育システムによるものかどうかについても検証してみたい。平成30年度の日本工学教育協会の年次大会で報告する予定である。
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Causes of Carryover |
キャリア能力の評価方法・評価基準は、実践結果を検証しながら逐次改善しているので、学生のポートフォリオ等、すべてをサーバー上で管理する最終的なシステムは確定していない。現時点では、研究分担者が所有する既存のサーバーに保存し、専用サーバーの購入を控えている。2018年度に使用する予定である。
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