2015 Fiscal Year Research-status Report
森林生態系に関する視覚情報教材「全天トレイル」の開発
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15K00956
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 良治 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (40515102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 英昭 北海道大学, 北方生物圏フィールド科学センター, 教授 (70281798)
湯浅 万紀子 北海道大学, 総合博物館, 准教授 (60182664)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 博物館映像学 / 科学コミュニケーション / 映像 / 森林生態系 / 科学教育 / 教育工学 / インターネット / 生物地球化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
森林生態系への学習意欲を向上させるために高等教育機関や博物館などで活用する教材として「全天トレイル」の開発を行った。 「全天トレイル」は、インターネットを介して森林の様子を見ることができる視覚情報教材である。森林内には、大気や土壌、生物などの物質が自然環境内を流れる物質循環が行われている。「全天トレイル」では、この物質循環が盛んな北海道内の2つの地域を選定し、季節や年代による環境の違いについて比較・観察して学ぶことができる。ICTを活用した「全天トレイル」は、利用者が森林内の風景を好きな角度から自由に見ることができる。リンク機能を活用し、森林に関するデータや関連する学術論文の閲覧も可能とした。学術的に特筆すべき場所は全方位カメラで紹介し、専門的な調査手法については映像で丁寧に説明している。インターネットを介して配信することで、遠隔地からでもフィールド情報や調査観測データが容易に得られるものとした。利用者へのアンケートなどで「全天トレイル」の学習効果を測定し、検証・評価を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
〈視覚情報教材の制作〉 対象森林地域の学術的に特筆すべき場所を360度全方位カメラやビデオカメラで重点的に撮影し、年代や春夏秋冬の変化を比較できるように同一地点で季節ごとに映像を撮影記録した。専門家へ森林生態系の解説や試料のサンプリング方法の解説を映像取材し、1~2分間程度の短い映像クリップに編集した。取材した内容は、音声をテキストデータに書き起こし、日本語及び英語字幕への対応を行った。専門用語は、内容を確認し解説を付記することで理解しやすいように工夫してある。関連する学術論文へのリンクを追加した。森林内で1世紀以上継続して採取している積雪量、水質、気象、樹木のデータを全天トレイルの画面上で可視化するデータビジュアライゼーションの実装については、蓄積されたデータを季節・年代ごとに比較し、「全天トレイル」へコンピューターグラフィクス機能でデータ変化の度合いが可視化できるように検討を重ねている。 〈全天トレイルの評価指標作成〉 全天トレイルの学習効果は研究分担者を交えて、「学習到達度」、「関心・意欲の変容度」、「ユーザビリティ」の観点で評価することを検討した。 〈「全天トレイル」の評価〉 「全天トレイル」を活用した授業で、学生や研究者を対象に評価指標にもとづいた検証・評価を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
〈視覚情報教材の制作〉 評価指標にもとづいた学習効果の検証・評価を受けて、新たに得られた情報と共に既存の「全天トレイル」を繰り返し改訂する。平成27年度に行った「全天トレイル」の評価を受け、前年度に引き続き、各要素へ情報の追加修正などを行う。360 度カメラによる森林内撮影では、前年度に撮影できなかった場所や季節を撮影する。森林生態系専門家への映像取材も継続して行い、資料のサンプリング方法や森林環境に関する解説映像教材を制作する。検証・評価を受けて、開発中のデータビジュアライゼーションを実装できるように改訂する。新たに発表された学術論文へのリンクも継続して行い、情報を更新する。全天トレイル全体の英語化対応も継続して行う。
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Causes of Carryover |
視覚情報教材制作のためにウェブサイトの構築を予定していたが、仕様を満たすことのできる発注先がなかったため次年度へ使用額を繰り越すこととなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
視覚情報教材「全天トレイル」においてビックデータを可視化できるシステム系制作会社を選定し、次年度にシステム構築を依頼する。
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