2016 Fiscal Year Research-status Report
技術の社会実装教育・研究において学生の創造性や主体性を伸ばす安全実践教育の提案
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15K00963
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
伊藤 通子 東京都市大学, 環境学部, 研究員 (00537037)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 実践的安全教育 / 社会連携型アクティブラーニング / リスク管理能力 / 危険予知・回避能力 / 社会実装教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目となる本年は、1年目の調査結果をふまえて特に特徴的だと考えられる海外の教育現場を実際に視察調査することにより次の知見を得た。 一つはデンマークのPBL教育における、状況的学習のための教育プログラムに埋め込まれ統合的に実施されている安全教育である。すなわち、学問分野を超えたリサーチメソッド習得の過程で、複合的な現実問題の解決プロセスにより、安全教育をキャリア教育や社会人基礎力育成などに埋め込まれた形で学ぶ形態であった。 二つ目には韓国で2016年に発令された「学校安全教育実施基準等に関する告示」による安全教育モデルの取り組みである。安全教育を核にした問題解決・プロジェクト型学習の計画と試行を実施中で、教科統合型を志向しALにおいて教科間の壁をなかなか越えられない問題や地域社会に開かれ学校教育が様々な機関と連携する問題を乗り越えようとしている実例であった。 三つ目にはシンガポールの、国の方針と実施の枠組みに応じた組織的教育体制による安全教育やリスク回避のための教育であった。どの学校種にも、生徒や学生の学びの環境支援と教職員の教授支援、開発する研究部門が設置され、教科教育や専門教育とのバランスや融合を視野に入れたカリキュラム開発や授業プログラム構築を行っていた。 また日本の状況として東京高専が中心となって全国高専で実施している社会実装教育において、社会実装教育に組み入れるための安全実践教育教材について種々の議論を行った。 以上のように本年度は、ALへ組み込むためのリスク管理能力の育成を目的とした実践的安全教育の方向性をつかむことができたため、最終年度に向けて、日本における社会実装教育を中心とするアクティブラーニングに適用する具体的かつ実践的な安全教育プログラム構築を進める計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度はALの中で実際に実施されている安全教育の実例が少なく導入の意識も低いことが明らかとなったため、最終目的である具体的な安全教育プログラムの構築と提案のために、日本の教育への導入の方策を視野に入れた海外先進事例の調査を実施した。 デンマークの伝統ある統合的教育プログラムに埋め込まれた安全教育やシンガポールの組織的教育プログラム開発の方法は、そもそもAL導入に遅れをとっている日本の事例に導入することは困難だと思われたが、昨年度の調査の後半で新たに情報を得た韓国の導入事例は、日本のALへの安全教育の導入に一定の示唆を与えてくれるものであった。 初年度の調査で明らかとなった日本の実態により具体的な教育プログラム構築や情報発信には依然として遅れが認められるが、教育プログラムの構想自体については、韓国の事例に関する種々の資料を入手したことより進められる見通しがついてきた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究2年目に計画し直した通り、当初想定していた既存のアクティブ・ラーニングと新しい安全教育を組み合わせる方法ではなく、現在のアクティブ・ラーニングの現状に合わせ、アクティブ・ラーニング導入時に教育プロセスに埋め込むことが可能な形態の実践的安全教育プログラムを構築に向けて研究を進める。 現在、いくつかの具体的な実践教育プログラムの構築に着手しており、アクティブ・ラーニングの導入時に教育プログラムに組み込めるような形態として完成させ、整備したHP等で情報発信を行うことを目指す。
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Causes of Carryover |
平成28年度に行った海外調査は研究の進展に伴って調査対象を増やしたにもかかわらず、旅費を安価に抑えることができたことと、県外に出向いて行う予定としていた研究打ち合わせをインターネットを多用することにより予定額より低く押さえられたことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は最終年度として研究成果を発信する機会を多くする予定としており、平成27年度に整備したWEBサイト等の発信を含め、種々の方法で検討しており当該助成金を充てる予定である。
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Research Products
(1 results)