2015 Fiscal Year Research-status Report
グローバルな算数・数学教員養成を目指す遠隔協同セミナーの研究
Project/Area Number |
15K01063
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
河崎 哲嗣 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (00582488)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥林 泰一郎 大阪大学, 人間科学研究科, 研究員 (60580941)
齊藤 和彦 大和大学, 教育学部, 准教授 (60738524)
前迫 孝憲 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (00114893)
柳本 哲 京都教育大学, 教育学部, 教授 (90441401)
松嵜 昭雄 埼玉大学, 教育学部, 准教授 (10533292)
山田 道夫 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (90166736)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 国際遠隔協働セミナー / STEAM教育 / 数学的モデリング / 教育のグローバル化 / フェルミ推定 / 教員養成・教員研修 |
Outline of Annual Research Achievements |
カリキュラム構成のための実地調査(教材・評価・制度)とWeb 会議システムを検討した。 ①シンガポールNIEを中心に各機関を訪問しSTEAM 教育の教材・評価方法・教育制度等について整理した。そこでは、京都府と岐阜県の教員とともに、中等教育段階の教育機関を中心に実態調査を行い、グローバルとグローカルそれぞれにあるべき内容を明らかにすることができた。 ②共同研究(カールスルーエ教育大学・ルーテル大学)を立ち上げ、学生の環境に対する意識調査を行い、必要な教材を検討する基礎研究を開始した。自国民が相手国にどのように分析をしているのかは勿論、自国をどのように評価しているのかをメタ認知の観点で行う方向で取り組んだ。 ③クラウド型グローバルスタンダード高機能Web 会議Zoomを採用し、国際遠隔協働セミナーを立ち上げ、教材としてのFermi推定の有効性に関する基礎研究を行った。カールスルーエ教育大学の学生と岐阜大学の学生及び学校教員を交えて、Fermi推定を用いて概数・概形をイメージする教材を扱った。これらは「思考力・判断力・表現力」を養う取組になるだろうという方向性は認められたが、その評価規準について検討の必要性が示された。 国際遠隔協働学習では、どのように学生間や教員間の考えや意思疎通をするために、表現方法について検討が必要となった。また国際交流によってどのようにまた算数・数学の教育内容に環境や災害問題などの社会問題をどのように取り入れることができるか等の糸口が見えた。 日本数学的モデリングチャレンジ京都を教員が立ち上げ、教員主体の活動を開始した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今後、国際遠隔協働セミナーにおけるFermi推定の教材の在り方とセミナーの評価規準について、共同研究者とともに検討すべきという考えが一致した。高機能web会議Zoomの活用は教育効果を高めるであろうと期待できるが、さらに有効的な活用場面や方法とその基盤が整理されないと継続性が難しいと判断できる。音響・画像が満足できるのか、授業の求めに柔軟に対応できるかについて、高い評価を得られるように更に利便性の高い機器の開発とその整合性の研究を進める必要がある。 学校教員をグローバルな教員として変容していくには、教員自身が海外の教育機関や教員との交流によって養われる効果が高まることは再確認できた。但しそれには費用や予算と教育機関の理解と教員の勤務時間等が問題として起こっている。また深層学習の領域やSTEAM教育の研究が各国かなり進んできており、算数・数学の教員養成という括りだけの研究では対応ができなくなるだろうと推測される。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究による多くの波及効果が生じてきた。研究期間3年間はあまりに短く末永い研究が必要であると考えられる。この3年間は正に研究課題の発見と発展的な成果を生むための大切な基礎研究となることが改めて認められた。教育のグローバルの視点で行えば、英米独中の4カ国が国策による研究が進んでおり、AIについての動きを肌で感じた。そこで研究を支える基盤を少しずつ整えなければならないとともに、算数・数学分野以外の他領域の研究協力者が、直ぐにも必要であると考えられた。STEAM教育の教材がそれに該当する。またZOOMの環境を整えて、活用方法の研究を推し進める必要がある。外部資金が足らないために、さらなる高みを目指した研究期間とチームを構成し、分野の特性を活かした活動を融合する方向で推し進めることにする。具体的な一歩として、他領域の研究者として岐阜大学の技術・造形・科学分野、オークランド工科大学とフィリピン大学の研究者を共同研究に組み入れるかを検討する。教育評価については、統計分野の分析チームを作る必要が生まれたので、ワーキンググループの構築を目指すこととした。これらは3年を越える研究期間を目指すことにする。
|
Causes of Carryover |
研究協力者の校務の都合により、2015年度末のドイツ連邦共和国での実地調査と現地(カールスルーエ教育大学)における共同研究者との研究協議の参加が望めなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
テレビ会議システムの機器の充実と評価処理ソフトとしてSPSSの活用など、機器及びソフトの購入 ICME13国際学会(ドイツ)の参加と研究協力者との実地調査(ドイツ・ニュージーランド・フィリピン等) グローバルな共同研究の対象者の開拓(ニュージーランド研究機関訪問費等)
|
Remarks |
(1)カールスルーエ教育大学の共同研究者が開催したICT活用の国際学会 (2)日独伯3国間の教員を目指す学生の意識調査アンケートサイト
|
Research Products
(13 results)