2016 Fiscal Year Research-status Report
ソフトウェアプロセスの学習支援システムに関する研究
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15K01077
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
片峯 恵一 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (00264135)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ソフトウェアプロセス / 動機づけ |
Outline of Annual Research Achievements |
ソフトウェア技術者は、高品質なソフトウェアを開発するために、定量的なデータに基づく継続的な改善スキルを修得することが重要である。そこで、本学では、米国カーネギーメロン大学ソフトウェアエンジニアリング研究所(SEI)の開発したPSP(Personal Software Process)を教育している。しかし、スキルの修得には多大な時間を要するため、すべての学生が修得できている訳ではない。そこで、そキルを修得できた学生とそうでない学生との違いをPSPのプロセスデータを活用して、動機づけの観点から分析し、効果的な学習法と指導法を研究する。また、本手法を継続的に改善していくための仕組みを考案する。 平成28年度は、学習者モデルを洗練し、外部要因としての環境・組織要因を分析し、指導案の提案を行った。学習者モデルに関しては、平成28年度受講生のデータを動機づけプロセスの状態遷移モデルに適用し、分析した。これにより、評価基準の改善と指導方法の提案を行った。この際、外部要因による影響が大きいことが判明したため、こちらの研究を先行的に実施した。外部要因としては、組織論的期待モデルにおける環境・組織要因である環境不確実性、コンテクスト、組織構造、組織風土および組織プロセスの5つの要因を用いた。これらの要因から個人プロセスへの影響を分析し、状態遷移モデルを改善した。また、過去の事例に適用することにより、提案モデルの正当性と指導案の妥当性を検証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は、環境・組織要因に関する分析を先に進めたため、こちらは当初予定より進んでおり、欠陥修正やプロセス改善提案の分析に関しては少し遅れている。これらの状況を踏まえると全体としては順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は、平成28年度に提案した環境・組織要因を含むモデルを検証し、洗練する。また、欠陥やプロセス改善提案を分析することにより、学習者の状態遷移パターンを整理し、指導法を確立していく。
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