2015 Fiscal Year Research-status Report
e ラーニングシステムによる医・獣医学系の基礎教育の汎用自主学習システムの構築
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15K01091
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
根本 洋明 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (50180708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇田川 誠一 日本大学, 医学部, 教授 (70193878)
谷口 哲也 日本大学, 医学部, 准教授 (10383556)
JEGO Hajime 日本大学, 医学部, 助教 (80570944)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | LMS / e-learning / 共通化 / 実験・実習科目への適用 / Stack |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は数理系科目の部品化の可能性を探り,これまでに作成した様々な小テストや課題などを汎用の XML 形式で収集保存し,共通化の可能性を探った。また,語学系では単なる知識問題の課題ではなく,インタラクティブな応答が可能な課題を汎用の形式で保存,編集,公開できる可能性を探った。 語学系においては日本国内での事例研究以外にも国外(英国・バーミンガム大学,カナダ・ブリティッシュコロンビア大学)での e-learning システムの利用状況を調査した。特に,上記2大学での調査で今後日本での語学教育に活かせる活用例を発見し,学会等での発表につながった。また,今後関連学会での発表講演も受理され発表する予定である。語学系においては当初の構想を超えて単なる知識問題の部品化にとどまらず LMS の特徴である双方向の課題の部品化の可能性も考えられるようになった。 さらに,数理系においては当初の数学,物理,化学などの基礎科目の演習問題のレベルから,医学・獣医学を含めた,広く実験系学科の実験への応用の試みも開始した。初年度においては数理系基礎科目の演習問題と同程度の知識問題にとどまったが,一部実験科目の反転学習の助けとして実際の実験・実習の前に実験手順の動画の公開とその内容への基礎的な設問を付加し,事前学習の助けと,実験後のデータ解析の確認について LMS が有効に機能することが確認されたのは収穫であった。この結果は平成28年度に研究発表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究においては,LMS(主に Moodle, Stack) のデータ構造の把握とそれらの汎用化について技術的な面でわからない部分が多かった。実際に今までのコースデータを詳細に分析したところ,非常にわかりやすい構造とファイル形式であることが確認された。そのため,データ構造の解析,特に,SQL data base の取り扱いについて予定より格段に前進することができた。さらに,XML file への変換や変換後の解析も順調に進んだため汎用化のための基本構想を初年度で固めることができた。 上記のように初年度に想定したいたもののうち LMS のデータ構造の解析と汎用化への手順がかなりの部分が早期に完了した。そのため,研究実績の概要でもふれた,実験・実習など,従来は LMS の利用が活発でなかった分野への LMS を利用した反転学習や総合的な事前学習の導入の可能性を探ることができた。 語学系においても LMS の利点である双方向コミュニケーションが汎用化できる可能性がわかったことは大きな収穫であった。語学教育における語学教材の確保については著作権等の問題もあり国内での調達に不安があったが研究協力の形で相互利用できる可能性がでてきた。 このような状況から平成28年度の実際のコースデータの作成を数理系のみならず語学系および実験系にまで含めることができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は LMS サーバを実際に構築し初年度に得た様々な成果を当該サーバ上で早期に公開できる状況にする予定である。その状況を踏まえ何回かの研究発表を予定している。また,初年度に引き続き国外の他の大学との連携を深めるべく今年度は当初予定していなかった国外での情報収集及・調査が必要となった。加えて今年度は国外でも11月頃に研究発表を予定している。 語学系と並行して数理系ではすでに作成したテンプレートのさらなる汎用化に努める。具体的には LMS システムと連携する数式処理システム自体も特定のシステムに依存するものではなく可能な限り多くの数式処理システムに対応できるようにする予定である。実験・実習科目への反転学習にも対応できるようなシステム作りを考えている。 最終年度ではそれまでに構築したサーバの設定や部品化されたコンテンツを一通りそろえたコンパクトなシステムを仮想マシン上のファイルあるいは USB, DVD 等の可搬媒体上に実装し,興味を持つ研究者に広く公開することを目指し研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
2015 年8月に予定していた本研究の分担者,E. H. Jego の海外出張(カナダ,英国)が本人が体調を崩し,入院治療を要した。その後,体調が十分に回復したので 2016 年 3月中旬にカナダ,英国に調査及び情報収集のための海外出張を行った。帰国後直ちに旅費等の清算申請を行っているが 2016 年3月31日の時点では事務処理が完了していないため次年度に繰り越しして清算することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰越額 500,000 円はすべて2016年3月の旅費の支払いに充当する。
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Research Products
(4 results)