2017 Fiscal Year Annual Research Report
The Separation and Interchange between Science and Engineering in Higher Education in Prewar Japan
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15K01116
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 拓司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30262421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 ゆりか (今井ゆりか) 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20251324)
折茂 克哉 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (30376579)
高橋 雄造 電気通信大学, 学内共同利用施設等, その他 (60055225) [Withdrawn]
夏目 賢一 金沢工業大学, 基礎教育部, 准教授 (70449429)
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Project Period (FY) |
2015-10-21 – 2018-03-31
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Keywords | 戸田盛和 / 小穴純 / 玉木英彦 / 渋沢元治 / 小川岩雄 / 第一高等学校 |
Outline of Annual Research Achievements |
戦前期の科学・工学における教育・研究の事例として、制度的な検討からはやや離れて、個人の資料に即した分析と評価を行った。具体的には、下記の科学者・工学者に関する資料を対象とした。渋沢元治(1876-1975):一高から帝大工科に進んだ電気工学者であり名古屋帝大の総長も務めている。幼少期の勉学に用いた資料から電力関連の事業、総長時代の事績に関する資料が駒場博物館に収蔵されている。工学者が受けた科学教育の実態を明らかにすることが可能である。戸田盛和(1917-2010):武蔵中学・高校から東京帝大の物理学科に進み、途中、工学部の力学教室に所属した経験や、京城帝大の理工学部に勤務した経験も持つ。戸田の遺した資料は、戦後期に活躍した日本を代表する物理学者が受けた教育や行った研究の実態、理学と工学の接点であった工学部力学教室の内実を明らかにするために重要である。玉木英彦(1909-2013):一高から東京帝大物理学科に進み、理化学研究所で仁科芳雄の下で研究に従事し、東京大学教養学部にも勤務した。戦前・戦後の研究・教育の継続性や、理学と工学の接点として重要な役割を果たした理化学研究所の実態を明らかにするために活用できる。小穴純(1907-1985):一高から東京帝大物理学科に進み、理学部物理学科に所属しながら光学機器開発に従事した特異な経歴を持つ。戦前戦後の継続性と断絶、理学と工学の接点の事例として重要である。小川岩雄(1921-2006):一高から東京帝大に進み素粒子・原子核実験に従事した。工学・科学に従事した家系の全体にわたる資料が残されており、工部大学校から第二工学部に至るまでの検討を可能にする。 以上の資料の調査の成果の一部として、東京大学駒場博物館において、「物理もおもちゃも本描く派―戸田盛和生誕100周年」と題する展示を実施した。
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Research Products
(7 results)