2015 Fiscal Year Research-status Report
市民が形成した重要菌類資料の研究―市民科学者育成・支援機関としての自然史博物館論
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15K01157
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Research Institution | Osaka Museum of Natural History |
Principal Investigator |
佐久間 大輔 大阪市立自然史博物館, その他部局等, 研究員 (90291179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今村 彰生 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (00390708)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 博物館資料論 / 市民科学者養成 / 科学コミュニケーション / 菌類インベントリー / 博物学的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.コレクション形成過程の検討:青木実菌類資料、及び吉見昭一副菌類資料について、資料の整理・精査・解析及び、一部図版のデジタル化をすすめた。関係者に収蔵時の状況を確認するとともに、インタビューの準備を進めている。デジタル化は青木により撮影されたポジフィルム及びネガを中心に行った。 2.アマチュアの標本利用実態調査:アマチュア200名から研究上のノウハウとしてどの程度の標本制作・利用ノウハウがあるのかを調査し、その成果の一部を関西菌類談話会総会で報告した。2016年9月の日本菌学会で口頭発表を行うとともに報告原稿を作成中である。また、神奈川きのこの会などアマチュア団体の関連が深く、当館と似た状況にある横須賀市立博物館についてコレクターの多様性の変遷を調査した。当館との比較によってアマチュア団体の役割、主要なコレクターの重要性を示唆する結果が得られている。現在報告執筆中である。 3.過去のコレクションの研究手法確立 吉見資料を用いたDNA抽出を試みた。この結果は本郷標本のノウハウと合わせ、今村とともに報告文を作成中である。現在、原稿が完成し、執筆者の間で改定を行っている。 4.市民科学者のスキルアップを目的としたテキスト作成と講座開催 アマチュア向け普及教育を進めることを目的に、2016年1月には菌類学講座2016「アマチュア菌学の活性化に必要な仕掛けを考える」を開催、約100人の参加を得て今後に向けた課題の整理を行った。佐久間・出川によって企画の原案を固めつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インタビューなどに若干予定より遅れがあるものの、横須賀市博の資料調査など予想以上の進展が見られた点もある。これらから、積極的に計画をこなしていくことで次年度以降は期待以上の成果とすることができると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケート調査からは菌類観察のマニュアル策定の要望が強いことがわかった。このことからテキスト作成についてはできるだけ前倒しして実施したいと考えている。また、日本菌学会菌類観察会などの機会を捉えて、アマチュア向けの普及教育を行っていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
年度末にアルバイトに忌引などが発生し、作業が中断したことによるもの。ペアで作業をしていたために2人かける数日程度のデータ入力遅れが生じている事による。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
新年度に遅れを取り返すべく入力を行う予定である。
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Research Products
(11 results)