2015 Fiscal Year Research-status Report
農業経営における意思決定統合支援システム構築に向けた数理最適化研究
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15K01178
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| Research Institution | Tohoku University |
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Principal Investigator |
伊藤 健 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (80309492)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| Keywords | 経営工学 / 農業経営 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
作付計画は，いずれの作物を，どのくらいの面積で栽培するのかを決定することであり，企業での生産計画や販売計画に相当し，収入に大きな影響を与える．最も利益率の高い作物だけを栽培することが好ましいようにも思われるが，病害虫・天候による不作，連作障害による収量減など，さまざまな不確実・不確定要素を含んでおり，金融分野におけるポートフォリオと同様，そのようなリスクを考慮した上で収入の最大化を図る必要がある．従来研究では，作物の利益係数については定数を仮定することが多かったが，作付け時点で作物の利益係数が既知であることは考え難く，収穫後に明らかになるのが一般的である．したがって，それら利益係数を定数ではなく確率変数として取り扱い，確率計画法やファジィ確率計画法による，より現実的な定式化が必要である．
そこで．当該年度には，春の作付計画時に秋の作付計画もあわせて行い，年間の利益を最大化するような2期間（春期，秋期）の作付計画最適化モデルを検討した．本モデルでは，耕作対象地は最小耕作単位によって複数の区画に分割されており，各々の区画は土壌状態の違いによって各栽培作物毎に収穫量が異なるものとしている．さらに，春植作物の利益係数は確定的，秋植作物については，計画時よりも未来のことゆえ天候などの影響を強く受けることもあり，不確実性が高いことを考慮し確率変数としている．また，連作障害などの影響により，各区画毎に春植作物の種類に応じて秋植作物の収穫量が変化することを考慮して，それらをファジィ要素で表現し，双線形構造の問題に対し，動的計画による最適解の導出方法を提案している．実際の営農現場においては，経営資源（農地，労働力，作業機械など）を年度毎に管理し計画を行うことが多いため，本モデルを利用することによって現実的な意思決定支援が可能となるため，その意義は非常に大きいと思われる．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では，当該年度に作付計画と農作業管理に関する課題への取り組みを重点的に行う予定であったが，課題申請時には想定していなかった自己研修による研究拠点の変更，研究環境の変化により，農作業管理に関する課題への取り組みが若干不十分なものとなった．しかし，作付計画に関する研究の進捗は大きなものがあり，総合的に判断すれば概ね順調に遂行できていると思われる．
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| Strategy for Future Research Activity |
当該年度での取り組みが不十分であった農作業管理に関する取り組みについては，最適な人員配置を議論する「ナース・スケジューリング」の概念をもとにモデルの検討を行い，情報量不足からくる不確定性を反映するために，それら不確定要素をファジィ集合で定義し，フレキシブル計画問題として定式化することを試み，いずれかの方法によって等価確定問題に変換し，対応する最適解を効率よく求めるアルゴリズムについて開発を進める．
また，それと並行し，機械管理，出荷・物流管理についても，ネットワーク計画問題をベースに研究を進める予定である．
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| Causes of Carryover |
当初予定していなかった自己研修実施により，研究拠点が本務校から別の大学に一時的に変更されたため，研究支援者の雇用が現実的に困難な状況となり，人件費不使用をはじめ，研究実施方法に若干の変更を余儀なくされたため．
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
当該年度に実施できなかった研究項目の実現を加速すべく，研究支援者の雇用を行い効率的に研究を遂行する．また，先送りとなっている課題解決のために，本来なら調達を完了しておくべき必要物品についても購入手続きを行い，関連分野の情報収集のために学会・研究会に参加する旅費，ならびに研究集会開催経費に充てる予定である．
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Research Products
(5 results)
