2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K01236
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Research Institution | Nihon Fukushi University |
Principal Investigator |
田中 賢 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (00387747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋野 公宏 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30391600)
村井 裕樹 日本福祉大学, 健康科学部, 准教授 (30455563)
田中 尚樹 日本福祉大学, 社会福祉学部, 助教 (70738400)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 発達障害 / 安全 / 事故 |
Outline of Annual Research Achievements |
発達障害児・者の実態調査を目的として参与観察調査を行った。発達障害児・者の支援団体「アスペ・エルデの会」が発達障害児を対象に実施するキャンプで参与観察を実施した。このキャンプは愛知県・日間賀島で夏季に実施するもので、それぞれの子どもに合ったスキルトレーニングを行う(プログラムは全部で12ある)。田中尚樹・田中賢が参加した(参加時期は2015年8月16日-20日)。食事や学習、余暇活動などを共に過ごすことで発達障害児の心の機微や行動・動作の傾向を把握した。感情が大きく動く前にコントロールする方法や正しい姿勢を保持することで集中力の維持向上することなどが分かった。発達障害児の問題は感覚過敏の問題が多く、音・光・匂い・手触りなどのコントロール(配慮)に加え、微妙に伝わる振動などにも配慮が必要であることが分かった。 発達障害児・者の安全・安心についてのグループインタビューを実施した。インタビュー対象者は前記の「アスペ・エルデの会」に所属している発達障害児の保護者である。実施時期は2016年1月10日と2月13日の2回である。計13名の発達障害児の保護者にインタビューを実施した。1つのことに集中すると他に目が行かない。など発達障害児の生活上の問題点に加え、新たな各家庭で行っている対処方法などが分かった。感情の動いて物を壊すことがあるので窓ガラスに防犯フィルムの貼りつけを行う。万一警察沙汰になった際に連絡が来るように緊急連絡カードなどをカバンに忍ばせている。など様々な工夫があった。 発達障害児と健常児だけでなく、グレーゾーン児童の比較を行うためにアンケート内容を検討している。我が子に発達障害の有無を疑い医師などに相談した経験のある保護者に対してアンケートを実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
合宿での参与観察および2回のグループインタビューで発達障害児・者の家庭内及び家庭外での危険につながる行動について把握ができた。2016年度はそれを定量的に把握するために、また健常児・者と比較するためにアンケート調査を行う予定である。定性的に得られた知見は深いものがあり、この点では当初の計画以上であると考えるが、査読論文などにまとめられる内容ではないため、「おおむね順調」の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年度に得られた発達障害児・者の住宅内・住宅外での危険につながる行動について定性的に得られた知見を定量的に把握するために、またグレーゾーンの児童および健常児と比較するためにアンケート調査を行う予定である。グレーゾーンの児童は「保護者が我が子の発達状況に不安を感じて相談した経験の有無」で判断する。発達障害児、グレーゾーンの児童、健常児の其々の保護者に対し同一の質問を行い傾向を把握する。
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Causes of Carryover |
発達障害児←→グレーゾーンの児童←→健常児の安全・安心についてアンケート調査を実施する予定であるが、項目立ての前に発達障害児を取り巻く危険について参与観察などを行ったほうが良いと判断した。そのためアンケート調査が28年度の実施となった。また、その分析のためのPCの購入などもあわせて28年度にうつした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度に実施計画していたアンケート調査の予算、PCなどの物品購入は、そのまま28年度に実施することとする。
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