2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K01236
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
田中 賢 日本大学, 理工学部, 教授 (00387747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋野 公宏 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30391600)
村井 裕樹 日本福祉大学, 健康科学部, 准教授 (30455563)
田中 尚樹 日本福祉大学, 社会福祉学部, 助教 (70738400)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 発達障害 / 犯罪 / 災害 / 火災 / 事故 |
Outline of Annual Research Achievements |
発達障害児を取り巻く危機について、障害児ーグレーゾーンの児童ー健常児の類型化の方法検討、および危険の種類ごとに調査項目の検討を行った。 類型化については、社会福祉学を専門とする田中尚樹を中心に検討を行い、子どもの育児過程で実施される定期健診などの実情に則した質問を検討した。発達障害児の生活の工夫で有効とされる「構造化」について、その認知度や実施度合いや、実施に際しての課題などについて明らかとする設問を検討した。 火災・地震の危機回避策に関して、村井を中心に検討した。予防・火元管理・可燃物管理・火災覚知連絡・避難行動・訓練に細分して設問を検討した。この調査内容は既に村井らが別研究でも実施した内容に類似しており調査結果を相互比較できるものと考える。 犯罪からの危機回避策に関して、樋野を中心に検討した。2016年7月に起きた相模原障害者施設襲撃事件を受けて、厚労省(2016年9月15日)が各都道府県市の民生主管部局長宛に「社会福祉施設等における防犯に係る安全の確保について(通知)」を出して防犯安全確保策を求めている。本研究においても、これを加味した内容を検討すべきと考えて内容の再検討を行った。また、発達障害児に特有の(コミュニケーション上の)他者との距離感のとり方の困難さを測る項目を増やすべきとの意見が出された。 質問紙(質問項目)検討作業中に、社会的な重大事案(障害者ホームで自室に放火など)が発生し、それらを加味した項目作成を行った。2017年5月から6月に調査を実施する予定で作業している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
進捗に遅延が生じた主な理由は次の3点である。(1)社会福祉学の視点から、より慎重に質問項目を精査するため(学校などでカウンセラーを務めている)精神保健福祉士や社会福祉士などの専門職に質問項目を確認してもらい整合性を検討したため。(2)社会的な重大事案(相模原障害者施設襲撃事件など)を加味した内容で質問項目を検討したため。具体的には、より直接的な粗暴犯・凶悪犯の犯罪に対しての危機回避について質問項目を検討した。(3)発達障害児の関係する犯罪には、被害・加害の両面が存在することが考えられる。自らをコントロールできない発達障害児による咄嗟の行為による他害(他者を害する行為)について質問すべきかの議論をしたため。これらの質問項目検討作業に時間を要したため質問紙制作作業が遅延した。
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Strategy for Future Research Activity |
質問項目の精査がほぼ終了し、質問紙制作作業の段階である。2017年5月から6月にかけて質問紙調査を実施する予定である。3歳児から12歳児までの保護者に対して調査を行う。発達障害児ーグレーゾーン児童―健常児の3群を定量的に比較できるデータ数の回収を目指して、特にグレーゾーン児童の保護者からの回収率について検討をしている。この質問紙調査の結果を踏まえて発達障害児支援団体の保護者に対しグループインタビューを行う(2017年10月実施予定)。グループインタビューでは調査結果および考察について意見交換を行い、発達障害児の危険回避に関して有用な情報を提供できるリーフレットなどの資料について検討を行う。
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Causes of Carryover |
発達障害児―グレーゾーンの児童ー健常児の保護者に対して質問紙調査を次年度に実施することとなったため。この理由としては次の3点である。(1)社会福祉学の視点で内容を精査し精神保健福祉士や社会福祉士に協力いただき質問項目を確認したため。(2)社会的重大事案。(相模原障害者施設襲撃事件など)を念頭に置いた質問紙作成に注力したため。(3)発達障害児の関係する犯罪には、被害・加害の両面が存在することが考えられる。自らをコントロールできない発達障害児による咄嗟の行為による他害(他者を害する行為)について質問すべきかの議論をしたため。これらにより時間がかかり年度をまたいでしまい、予算を執行(調査実施)が次年度になった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
質問項目の精査がほぼ終了し、質問紙制作作業中である(Web版に変換作業中)。2017年5月から6月にかけて質問紙調査を実施する。予算執行のできる状態になり次第、調査を実施する予定である。現在、調査対象者の抽出作業中である。特に発達障害児の保護者や健常児の保護者の抽出作業は回答者・回収率を予測できるが、グレーゾーン児童の保護者という既往研究のない調査対象者の回収率検討を慎重に行っている。発達障害児ーグレーゾーン児童―健常児の3群を定量的に比較できるデータ収集を目指している。2017年10月に、質問紙調査の結果を踏まえて発達障害児支援団体の保護者に対しグループインタビューを行い、発達障害児の危険回避に関して有用な情報を提供できるリーフレットの検討を行う。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] 資格試験~差別解消に向けて2016
Author(s)
田中賢、古瀬敏、長谷川万由美、渡辺崇史、鳥山剛
Organizer
日本福祉のまちづくり学会
Place of Presentation
函館アリーナ(北海道・函館市)
Year and Date
2016-08-06 – 2016-08-06
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