2018 Fiscal Year Annual Research Report
Non-invasion observation of the cell culture process by nonlinear optical microscopy
Project/Area Number |
15K01287
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
福島 修一郎 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40362644)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紀ノ岡 正博 大阪大学, 工学研究科, 教授 (40234314)
橋本 守 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (70237949)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 組織工学 / 細胞遊走 / コラーゲン / 第2高調波発生光 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞が接着するときには細胞外基質と力学的な相互作用があり,増殖・分化などの機能と密接な関連がある.細胞が基質に及ぼす力を定量的に把握することは重要であるが,生体内に近い環境での定量化は困難である,そこで本研究では,生体内環境に近いコラーゲンゲルを培養基質とし,細胞の牽引力によるゲルの変形を定量化する手法を開発した.ゲルの変形解析では,第2高調波発生(SHG)光の顕微画像をもとにしたデジタル画像相関法でゲルを構成するコラーゲン線維の変位解析をした.コラーゲンのSHG光発生効率は特異的に高いので,染色やマーカー添加なしで変位解析に必要な画像を取得することができる.染色剤やマーカーは細胞接着の阻害要因となりえるので,SHG画像を用いる利点がある.さらに,SHG光強度はコラーゲン線維の密度・配向に依存しているためにゲルの材料特性の指標となる.局所的な密度と配向度が高い線維ほどSHG光強度が高くなることから,ゲルの硬さとSHG光強度には正の相関があると推察される.これは,SHG画像をもとにした材料特性の評価の可能性を示しており,細胞スケールでは不均一なコラーゲンゲルの変形を解析する上で有用である.基質の硬さに依存する走性をもつ細胞をコラーゲンゲル上に播種して遊走の経時観察を行った結果,SHG強度分布と細胞の移動方向には,基質硬さと移動方向と同様の関連があり,SHG光強度による材料特性評価に妥当性が示された.コラーゲンをゲル化するときのpHを調整することによりゲルの材料特性の分布を変化させる技術は昨年度までに確立しており,これとSHG画像をもとにした変位・材料特性解析を用いることで,組織形成・再生過程における細胞動態に関する有用な知見が得られると期待される.
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Research Products
(1 results)