2015 Fiscal Year Research-status Report
側方動作由来の歩容指標を用いた、高齢者の潜在的生活機能低下の評価
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15K01442
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
浅井 剛 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (50411880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 啓司 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (30144562)
福元 喜啓 神戸学院大学, 総合リハビリテーション学部, 助教 (30636121)
小野 玲 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (50346243)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者 / 転倒 / 転倒恐怖 / 歩行 / 身体機能 |
Outline of Annual Research Achievements |
転倒恐怖と関連の強い運動機能を明らかにすることを目的として、地域在住高齢者を対象に複数の運動機能測定を実施した。転倒恐怖の評価には、日常生活を基準に作成された、転倒恐怖の標準的質問紙であるFall Efficacy Scale(FES)を使用した。運動機能検査にはTimed up and Go test、5Chair Stand test、段昇降テスト、10m歩行テスト(快適歩行速度と最大歩行速度)を用いた。統計解析では、FESと全ての運動機能の相関を求めた。またステップワイズ法を用いてFESを説明する最適な運動機能を抽出し重回帰モデルを作成した。解析対象となった高齢者は103名(男/女:38/65、年齢:72.0 ± 8.2歳)であった。FESは全ての運動機能検査項目と中等度の相関を示した(TUG:r=-0.55,p<0.01、5CS:r=-0.42,p<0.01、段昇降テスト:r=0.35,p<0.01、10m快適歩行速度:r=-0.45,p<0.01、10m最大歩行速度:r=-0.50,p<0.01)。FESに影響を及ぼす因子としてTUGが抽出された(標準β係数:-0.51、p<0.01)。本研究の結果から、地域在住高齢者においてはFESは全ての運動機能検査との関連することが示唆された。さらに運動機能検査項目の中では、転倒恐怖を反映する最適な検査としてTUGが抽出された。TUGは他の運動機能検査に比べ、起立・着座、方向転換、歩行を含む複合的な運動能力が評価される検査である。これらのことから転倒恐怖感の減少に対してのアプローチとしては、単独の運動よりも複合的な運動能力の評価とその維持・向上を目的とした理学療法プログラムが重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画に沿って、地域在住高齢者を対象としたベースラインの測定を行った。当初の予定では200名を予定していたが、測定スペース等の問題もあり約半数の対象者となった(103名)。 また、予算の都合上、予定していた仕様の歩行計測装置が購入できず、代替の方法を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も昨年度に引き続き地域在住高齢者を対象とした測定を実施予定である。本年度は測定スペースを拡大し200名の測定を行う予定である。 本年度の予算を使用して歩行路の延長を行う予定である。測定に際しては、歩行中の体幹の動きを加速度センサによって計測し、加速度データを使用した歩容指標について検討予定である。
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Causes of Carryover |
分担研究者が次年度に繰り越しをしたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究に関わる消耗品の購入に充てる
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