2016 Fiscal Year Research-status Report
テクノロジーを利用した認知症高齢者のごみ出し支援の研究
Project/Area Number |
15K01456
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
野田 和恵 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (50208352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
種村 留美 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (00324690)
長尾 徹 神戸大学, 保健学研究科, 准教授 (80273796)
相良 二朗 神戸芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (10330490)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 高齢者 / ごみの問題 / 分別 / テクノロジー / 支援システム / 重度障害者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,認知症高齢者のごみ問題解決方法を検討するために,テクノロジー支援機器を利用したサービスを開発して生活支援を行うことである.これにより在宅での生活を延長させ,生活の質の向上維持を保つことが狙いである. 昨年実施したごみ問題実態調査の結果と本年のデータ収集をもとに,本年度はこれらごみ問題の中から「ごみの分別」をテーマに選び,テクノロジーを利用したごみ分別支援機器の開発と試用実験を行った. 視覚障害者支援用アプリケーションプログラム「Be My Eyes」やYahoo知恵袋などを参考に,つぎのようなステップを踏むごみ分別支援システムを考案した.1.分別が出来ないごみを所定の位置に置くと,写真撮影とサーバへの情報送信ならびに協力者への通知が自動で行われる.2.ごみの静止画像を,協力者が見て,分別ルールを参考に分別の種類を回答する.3.回答をもとに高齢者がごみを分別する.このシステムは3つの特徴がある.1.テクノロジーが苦手な高齢者でも使えるよう自動で画像が送られる工夫.2.日常生活の活動を促し,機能維持につながるように,高齢者は回答を見ながら分別することが必要な方法をとった.3.ごみの分別種類を回答する協力者として,ITを使っている重度身体障害者を選択した.「体が動かなくても社会に役に立ちたい」という重度障害者の思いをかたちにし,同じ障害者間で行われるピアサポートとは別に,他の障害者への支援という社会活動につなげる狙いもあった. 試用実験協力者として,重度身体障害者に募ったところ,高位頚損者2名,筋ジス患者1名,難病患者1名(いずれも男性)から申し出があり,6か月間の協力を得た.利用する高齢者は3名の協力があり,実験を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
協力高齢者を十分に集めることが出来ず,高齢者を対象としたこれら機器の操作手続きの確認実験は見送った.今までの情報をもとに支援機器を開発・完成し,その試用実験を行った.予定した人数の応募が無く,高齢者は予定より下回った数であった.
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Strategy for Future Research Activity |
サーバでを介して記録をとった本年度の実験結果を,ゴミ分別を中心としたごみの問題についての利用時間帯・利用回数・解決に要する時間などの視点で分析の予定である.これらの情報は,ごみ問題を解決していくうえでの貴重な情報になる. また,本支援システムについて,国際老年学会で発表・意見交換し,ごみ分別支援問題について更なる検討をしたい.
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Causes of Carryover |
試用実験の協力者数が予定より少なく、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現行の協力者の協力期間を延長する際の経費の一部としたい。
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