2017 Fiscal Year Research-status Report
大学生の睡眠リズムと抑うつに及ぼす携帯電話依存の影響に関する時間生物学的研究
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15K01682
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
江副 智子 島根大学, 保健管理センター, 教授 (40232954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 顕 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (40469036)
飯田 忠行 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 教授 (50290549)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | スマートフォン依存 / 大学生 / 質問紙調査 / 睡眠 / 抑うつ / Actiwatch |
Outline of Annual Research Achievements |
中国地方の医療系の大学の学生98名を対象にして、我々が開発したスマートフォン依存スケール、性別、年齢、学科などの基本的属性、睡眠時間、運動習慣などのライフスタイル、スマートフォンの平日・休日・夜間の利用時間、ピッツバーグ睡眠調査票、朝型夜型質問票、ベック抑うつ尺度(BDI-II)などから構成される自記式質問紙調査を実施した。また、そのうち29名の学生にはActiwatch Spectrum Plusを1週間装着してもらい、客観的な睡眠・覚醒リズムの測定を行った。 上記で得られたデータを、昨年度に中国地方の医学部の学生を対象にして実施した上記と同様の調査のデータと合わせて、スマートフォン依存度と睡眠及び抑うつ度との関係に関する統計学的解析を行った。その結果、男女合わせた全体では、スマートフォン依存度と抑うつ度とは有意な正の相関があった(ρ= 0.243, p<0.01)。男子では、スマートフォン依存度と抑うつ度とは有意な正の相関があったが(ρ=0.474, p<0.005)、女子では有意な相関は見られなかった。女子では、朝型夜型得点とピッツバーグ睡眠調査票の得点との間に有意な負の相関が見られ(ρ= -0.259, p<0.05)、夜型であるほど、睡眠の質が悪かった。また、女子では、ピッツバーグ睡眠調査票の得点と抑うつ度との間に有意な正の相関が見られ(ρ= 0.240, p<0.05)、睡眠の質が悪いほど抑うつ度が高かった。 今後はActiwatch Spectrum Plusの測定結果と自記式質問紙調査のデータを合わせて解析し、スマートフォン依存度と睡眠及び抑うつとの関係の解析をさらに進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
スマートフォン依存度が高い学生ほど夜型で、抑うつ度が高くなるという仮説を立てたが、朝型夜型質問票により、クロノタイプを調べてみると、ほとんどの学生は朝型でも夜型でもない中間型のクロノタイプに属しているという結果が得られたため、クロノタイプとスマートフォン依存度との間の関係を明確にすることができなかった。そこで、それ以上の解析を進められなかった。 Actiwatch Spectrum Plusの測定は初めて行ったため、その測定結果の解析がなかなか進まなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
夜間にスマートフォンを頻繁に使用する群とそうでない群、またスマートフォン依存度の高い群と低い群で、Actiwatchで測定した睡眠・覚醒リズムや睡眠の質及び量を比較し、スマートフォンの夜間における過剰な使用や依存が睡眠にどのような影響を及ぼすかを検証する。加えて、夜間にスマートフォンを頻繁に使用する群とそうでない群で抑うつ度を比較し、スマートフォンの夜間における過剰な使用が抑うつの危険因子になるかどうかを検証する。
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Causes of Carryover |
Actiwatchを数台レンタルする予定だったが、すでに研究分担者が所有していたため、その費用がかからなかった。またデータ入力にかかる謝金も予定していたが、データ入力の謝金には、別の研究予算の費用を当てたため、データ入力の費用が生じなかった。 翌年度は、研究打ち合わせや研究発表のための旅費、英文論文校閲、論文掲載料に使用する計画である。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Age-dependent contributions of neck circumstance to indices of obesity among female college students aged 18 to 20 years2017
Author(s)
Nitta Y, Miki Y, Aoi S, Ikeda H, iida T, Chikamura C, Tamura N, Nitta K, Miyaguchi H, Harada T, Ishizaki F
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Journal Title
Hiroshima J Med Sci
Volume: 66
Pages: 109-115
Peer Reviewed
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[Presentation] Psychiatric topic contents of Semipalantinsk Study in future based on the viewpoints in the present time2018
Author(s)
Inoue K, Noso Y, Takeichi N, Wada Y, Moriwaki S, Seksenbaev N, Zhanat S, Timur M, Nurgul O, Bitebayeva D, Sharapiyeva A, Madiyeva M, Chayzhunusova N, Zhunussov Y, Hoshi M
Organizer
21th Hiroshima International Symposium: Studies on health effects of exposure to radioactive micro-particle
Int'l Joint Research
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[Presentation] Aiming at epidemiological and statistical suicide investigations in Semey by cooperation of some fields based on the research experience in Shimane Prefecture2017
Author(s)
Inoue K, Miyaoka T, Chayzhunusova N, Ezoe S, Hashioka S, Nagahama M, Nurgul O, Timur M, Zhanat S, Seksenbaev N, Bitebayeva D, Sharapiyeva A, Chegedekova S, Saimova A, Noso Y, Hoshi M, Takeichi N, Moriwaki S, Takinami Y, Takeshita H, Fujita Y, Horiguchi J
Organizer
XIII International Research and Practice Cinference
Int'l Joint Research