2017 Fiscal Year Research-status Report
「生活経験に基づいた実践的道徳教育」を導く教育環境モデルの開発と検証
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15K01756
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
川崎 徳子 山口大学, 教育学部, 准教授 (00555708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小杉 考司 山口大学, 教育学部, 准教授 (60452629)
大石 英史 鹿児島大学, 大学院臨床心理学研究科, 教授 (80223717)
遠藤 野ゆり 法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (20550932)
大塚 類 青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (20635867)
小野 史典 山口大学, 教育学部, 准教授 (90549510)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 道徳教育 / 実生活 / 道徳基盤尺度 / 他者視点 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の3年目である平成29年度は、SR(Statistids research)班を中心に大学生を対象に行った道徳教育と実生活との関連を探るための質問紙調査による実証研究の成果を国際学会等で発表を行いながら検討を加えた。また、新しい道徳判断尺度作成のための基礎研究を踏まえ、道徳教育の基盤となる基礎理論の整理に取り組んだ。 QR(Qualitative research)班は引き続き、それぞれの研究者の国内の研究フィールドで、保育所、幼稚園、小学校、児童養護施設など、様々な教育施設における参与観察を中心に環境構造についての調査と、異なる環境や生活背景をもつ子どもの所属するイギリスの2つの初等教育施設と、地域コミュニティーとして、各小学校、中学校が連携する実態について現地調査を行い、異年齢教育のシステムや多様な生活基盤、社会背景をもつ子どもが一緒に生活をする学校の役割などの調査を行い、実態実践的道徳教育としての環境構造について検討するための資料を集積した。 日本における道徳教育の実践を検証するEA(Educational Action)班の活動については、本研究の目指す道徳的価値観と他者視点の内在化を実践的に育む環境誘導型教育の位置づけと,平成29年3月改訂の学習指導要領に示された道徳教育の在り方との関連の検討の必要性が加わったことにより、協力校の教員との協同的研修等の方策など、最終年度である30年度の課題としても構想中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SR班における道徳教育と実生活との関連を捉えるための質問紙調査の検討と教育環境評価尺度作成のための道徳的判断を支える理論基盤の研究等、順調に進んでいる。 また、QR班は、国内外、特にイギリスにおけるの初等教育施設における教育環境の実態調査は、研究協力者の協力も大きく研究フィールドを拡大して行えたことは検討資料の幅広い集積にも繋がった。 EA班については、研究協力校との連携等も含め、実践研究と研修の在り方の検討が充分に行えなかったこともあり、研究の方向性の修正も視野に入れながらの最終年度の検討課題として残している。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度となる平成30年度は、SR班、QR班、EA班が蓄積してきた研究成果を総合的に検討する研究者会議を重点的に開催し、加えて、総合的な研究成果の発表の機会としてのシンポジウムを行って研究の進展を含めた評価をしていく。これらをもとに、実践的道徳教育を導く教育環境モデルのイメージを理論化し、その検証のための教育環境評価の尺度開発を目指す予定である。 EA班において、課題となっている、研究協力校での実践研究と研修を通した教育評価尺度の導入に向けての研修等の在り方については、新しい学習指導要領に基づいた道徳教育の在り方について学校現場での検討が行われている時期でもあることから、それらの基礎研究に関わる形を検討するなど、方向を修正しながら進めていく。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では、実践的道徳教育研究として、研究協力校での実践を踏まえた現職教員との協同的研修等を考えていたが、新しい教育要領への対応と教育実践についての検討の必要性と学校現場での対応に向けての状況を考慮し、研究の方向を一部修正し、教育環境モデルの理論の再検討と、教育実践・環境評価尺度の開発に向けてのデータ整理を強化するために、次年度に繰り越すこととした。
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Research Products
(22 results)