2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development and Validation of an Education Environment Model Leading to Practical Moral Education Based on Everyday Life Experiences
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15K01756
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
川崎 徳子 山口大学, 教育学部, 准教授 (00555708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小杉 考司 専修大学, 人間科学部, 准教授 (60452629)
大石 英史 鹿児島大学, 法文教育学域臨床心理学系, 教授 (80223717)
遠藤 野ゆり 法政大学, キャリアデザイン学部, 准教授 (20550932)
大塚 類 青山学院大学, 教育人間科学部, 准教授 (20635867)
小野 史典 山口大学, 教育学部, 准教授 (90549510)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 他者視点 / 道徳性の発達 / 生活経験 / 生活環境 / 社会性 |
Outline of Annual Research Achievements |
人が社会の中で生きていくということは、各個人の幸福を求めながらも、それも含めた社会の中での人と人との関係を生きていくことになる。こうした人との関係を支えていく社会性や、善悪や正義、公正など、自発的に社会的にも望ましい行動や態度、及びその判断を身に付けていく道徳性の発達は、乳幼児期から始まる人との関わりの中で、学習と環境に支えられ情動的認知的な発達とともに獲得されていくものである。 本研究では、日本人の社会性の発達を支える学校教育の可能性を探ることを目的とした大学生を対象とした調査を行い、大学生が道徳教育で育まれたと感じるものを探った。その結果、「敬愛と集団」/「友情と家族愛」、「平等」/「公平と命の尊さ」「弱者へのいたわりとあやまちを正す勇気」「善悪」/「礼儀とルール」の3つのグループの内容が示され、これらの道徳的価値判断が自覚されていることが見えてきた。しかし、同時に道徳性そのものは、授業以外で育まれると認識されていることも示された。また、イギリスの初等教育施設での実態調査などから、多様な国々の様々な背景をもつ人が共に生活する環境における「違う」ということが基本にある国際社会の現実と、日本の社会における「同じ」が前提の環境は、人との関わりにおけるそれぞれの豊かさとともに生きづらさの特異な状況を生み出している可能性があることを捉えた。これらは、人の発達において自分にとって他者がどういう存在であるかという他者への意識の向け方や意識の持ち方、あるいは、他者の視点をどのように獲得するのかということに関連していることを示すものである。 そこで、「他者視点」をKeywordに、社会の中の人のあり方を取り上げながら、他者視点やその獲得について、生活経験と道徳性の育成とのつながりや影響等を踏まえて整理し、人の発達や発達の可能性等も含む生活環境の在り方の検討を行った。
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Research Products
(21 results)