2017 Fiscal Year Research-status Report
持続可能な外国人労働者受入れシステムに関する日本・韓国・台湾の国際比較研究
Project/Area Number |
15K01861
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
佐野 孝治 福島大学, 経済経営学類, 教授 (10245623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 恵 福島大学, 行政政策学類, 教授 (90302314)
村上 雄一 福島大学, 行政政策学類, 教授 (10302316)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 外国人労働者 / 移民 / 雇用許可制 / 韓国 / 台湾 / 日本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の課題は,日本・韓国・台湾における外国人労働者受入れシステムについて,統計分析,文献研究およびアンケート調査,ヒアリング調査をもとに実態を明らかにし,国際比較することである。 この課題を達成するために,日本・韓国・台湾における外国人労働者の文献的研究とデータ分析を行った。第一に,アジアにおける外国人労働者も含めた国際移民の現状とそのメリット,デメリットについて,送り出し国,受け入れ国のそれぞれの観点から明らかにした。東アジアにおいては,財・サービスの貿易,直接投資などに比べ,人の移動の自由化は進んでいない。また他地域に比べて移民の受入れも少ない。しかしアジア共同体を構想するにあたり,人の自由な移動は不可欠である。送出し国にとっては,海外送金による貧困削減・経済成長,余剰労働力の吸収,「頭脳還流」などが期待される。他方、受入れ国にとっても,短期的な労働力不足だけでなく,中長期的な生産年齢人口の減少を緩和・抑制する効果が期待される。人の国際移動は,貿易や直接投資を生み出す原動力となり,地域の経済統合に寄与するだけでなく,長期的には,平和の維持やイノベーション能力の向上につながると考えられる 。 第二に,韓国の雇用許可制について四つの基本原則(①労働市場補完性の原則 ,②短期ローテーションの原則 ,③均等待遇の原則 ,④外国人労働者受入れプロセスの透明化)から評価し,それが持つ日本への示唆点について考察した。その成果を,論文や国際シンポジウムで報告した。 第三に,研究分担者の坂本恵と村上雄一は,平成30年2月に韓国でのインタビュー調査を実施し,「日本とベトナム友好関係の現状技能実習生・日本語学校生」「外国人技能実習生制度改定 議論の到達点と課題」などのテーマで報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
日本・韓国・台湾における外国人労働者の文献的研究とデータ分析は順調に進展しており,論文執筆も行った。他方、研究代表者が、平成28年度から評議員、平成29年度から経済経営学類長(学部長)に就任したことにより,業務が多忙化し,予定していた韓国・台湾の調査ができなかった。そのため事業補助期間を延長した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度に実施できなかった韓国・台湾調査を行う。また実態調査と比較分析をもとに,外国人労働者と共生していくためのアクションプランを策定するとともに,持続可能な外国人労働者の受入れシステムを制度設計し,提言する。
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Causes of Carryover |
研究代表者が管理職に就任し、業務多忙化のため、予定していた韓国・台湾での調査を実施できなかったため。 次年度は、韓国・台湾での外国人労働者に関する調査を行う予定である。
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Research Products
(5 results)