2016 Fiscal Year Research-status Report
占領期分割統治沖縄と日本における米軍の性病対策―ジェンダーの視点から
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15K01916
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
茶園 敏美 京都大学, アジア研究教育ユニット, 研究員 (60738748)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ジェンダー / GHQ / パンパン / 占領軍 / 占領兵 / 占領期 / 米軍 / 米兵 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究を遂行するにあたり、今年度は、質的分析法をとりいれる試みを行なった。この分析法は、文化人類学や社会学ではよく使われているが、歴史学にもちいることによって、従来の歴史学研究ではどうしても見落としてしまう事実を深めるのに役立った。 【今年度研究業績】(共著)上野千鶴子監修、一宮茂子・茶園敏美編『語りの分析<すぐに使える>うえの式質的分析法の実践』を立命館大学生存学研究センター報告27(2017年3月)/茶園敏美「売春」杉村昌昭・境毅・村澤真保呂編『既成概念をぶち壊せ!』(晃洋書房2016) (書評)2016年4月9日付けwomen’s action networkにて一宮茂子『移植と家族』(岩波書店)書評/2016年5月21日付『図書新聞』にてレギーナ・ミュールホイザー著『戦場の性』(岩波書店)書評
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
占領期の生き証人があらわれたことで、研究成果の拙著2冊目がもうすぐできることや、今回は2冊目の拙著で、あらたに質的分析を導入することができた。この質的分析の方法論の本を編者の1人として出版することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
占領期日本においてはインタビューおよび歴史資料を質的分析法で帰納的に分析した成果をもうすぐ出版する予定。この研究成果をふまえて、今後は2つの方向で研究を進める予定にしている。1.米国公文書館で収集した占領初期沖縄の資料にもとづいて、今後は沖縄における占領軍の性病対策について研究を勧め、分割統治の性病対策を明らかにする。2.占領兵と正式な婚姻の結果、渡米した戦争花嫁について研究を進める(資料はすでに入手済)。このときも残されている戦争花嫁の語りを帰納法分析で分析を行なう予定。
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