2018 Fiscal Year Annual Research Report
General research on Cezanne's theory of art
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15K02108
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
永井 隆則 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 准教授 (60207967)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ポール・セザンヌ / エミール・ベルナール / ジョワシャン・ギャスケ / エミール・ゾラ / 感覚の実現 / 自然 / 反近代主義 / ユートピア芸術論 |
Outline of Annual Research Achievements |
セザンヌ( Paul Cezanne)が晩年に交流した画家エミール・ベルナール(Emile Bernard)、批評家ギュスターヴ・ジェフロワ(Gustave Geffroy)、詩人ジョワシャン・ギャスケ(Joachim Gasquet)の美学・芸術論・思想と比較対照しながら、セザンヌが、一種のユートピア芸術論を構想した可能性を仮説として提示し、高等社会科学研究院名誉教授にフランス語でテキストを提出し議論を交わした。 12月2日、国内外のセザンヌ研究者、ゾラ研究者、計5名(3名のフランス人研究者を招聘)と共に、本務校で、国際シンポジウム「セザンヌとゾラの創造的関係を再考する」を開催した。共催者の日仏美術学会の会報に、各発表者の発表要旨を掲載した。また、セザンヌ協会(Societe Paul Cezanne)のホームページにシンポジウムの報告集を掲載する事となった。会報及びインターネット上で、研究成果の積極的公開に努めた。シンポジウムでは、「ゾラはペンでセザンヌは絵筆で弾劾する」と題して、小説家ゾラ(Emile Zola)との交流がセザンヌの芸術論の形成に果たした役割を明らかにした。 国内外のセザンヌ研究者4名と共著で『セザンヌー近代絵画の父、とは何か?』(永井隆則編、三元社)を企画し、この中で「自然を円筒、円錐、球によって扱いなさい」、「感覚の実現」、「自然」、「思想」、「自然」といったセザンヌの芸術論の諸概念を明らかにした。 「書の美学とフランス近代美術」(『美術フォーラム 21』醍醐書房)を執筆し、セザンヌを中心とするフランス近代美術に日本人画家達が書の美学との類似を見出して受容した事を論じた。 「セザンヌ」『フランス哲学・思想辞典』を執筆し、セザンヌの芸術論が反近代主義の思想から生まれたことを解説した。
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Research Products
(6 results)