2017 Fiscal Year Annual Research Report
Research project on lantern slide culture in Showa Japan
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15K02188
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Research Institution | International Institute for Children's Literature,Osaka |
Principal Investigator |
鷲谷 花 一般財団法人大阪国際児童文学振興財団, その他部局等, 特別専門員 (10727100)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土居 安子 一般財団法人大阪国際児童文学振興財団, その他部局等, 総括専門員 (00416257)
岡田 秀則 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, その他部局等, 主任研究員 (30300693)
吉原 ゆかり 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70249621)
アン ニ 日本映画大学, 映画学部, 特任教授 (70509140)
鳥羽 耕史 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90346586)
紙屋 牧子 独立行政法人国立美術館東京国立近代美術館, その他部局等, 研究員 (20571087)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 幻灯 / 労働運動 / 社会問題 / 占領期 / 失業対策事業 / 炭鉱 / ジェンダー / 映像メディア |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は複数の幻灯及び映画の貴重な現物資料(フィルム)を新たに発見し、製作~受容の事情を明らかにしたうえで、一般公開への道筋を付ける成果を挙げた。 2017年4月29日に英バーミンガムで開催されたThe 10th International Convention of The Magic Lantern Societyに、研究代表者鷲谷花が岩田託子氏と共に参加し、幻灯『せんぷりせんじが笑った!』のデジタル版を上映し、併せて昭和期日本における幻灯史に関するレクチャーを行った。。 鷲谷花の仲介により神戸映画資料館に遺贈された故川本年邦氏の幻灯関連資料の整理を行い、目録を完成させた。川本年邦氏は1945年に復員した直後から、長年にわたり子ども会での幻灯上映活動を継続しており、遺贈資料には占領期を中心とする1940-50年代の貴重な幻灯資料が含まれている。同資料に関しては、2018年度に本格的に一般公開を進める予定である。 やはり鷲谷花の仲介により東京国立近代美術館フィルムセンターに遺贈された全日本自由労働組合(全日自労)製作・望月優子監督の中編映画『ここに生きる』は、日雇労働者の組合である全日自労の、幻灯と映画を駆使した文化運動の貴重な成果のひとつといえる。2018年3月2日にエル・おおさかで開催した「映像(幻灯と映画)に見る戦後の失業・貧困問題と労働運動」(共催:エル・ライブラリー)では、『ここに生きる』及び幻灯『にこよん』を同時上映し、杉本弘幸氏による講演「戦後の失業対策事業と労働運動について」と併せて、「失業対策事業と映像メディア」という従来ほとんど知られてこなかった領域に光を当てる機会となった。 東京国立近代美術館フィルムセンター(BDCプロジェクト)が進めていた大藤信郎の幻灯作品のフィルム復元に際して、試写(2018年3月24日)への機材提供と映写協力を行った。
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Research Products
(9 results)