2016 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K02236
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Research Institution | Kyushu Kyoritsu University |
Principal Investigator |
工藤 浩 九州共立大学, 公私立大学の部局等, 教授 (90636101)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 卓 國學院大學, 研究開発推進機構, 助教 (10726011)
福田 武史 東京大学, 教養学部, 特任講師 (20752075)
奥田 俊博 九州女子大学, 家政学部, 教授 (30343685)
松本 弘毅 早稲田大学, 文学学術院, 助教 (30434244)
小林 真美 東京理科大学, 理学部第二部教養, 助教 (30548144)
松本 直樹 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (50239109)
小村 宏史 沼津工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (50734688)
伊藤 剣 明治大学, 法学部, 専任講師 (70453991)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 系譜の享受 / 大嘗祭 |
Outline of Annual Research Achievements |
『先代旧事本紀』所載の系図の受容についての調査を行った。『先代旧事本紀』の本文中には、巻一「神代本紀」巻四「地祇本紀」巻五「天孫本紀」の三巻に、他の文献には見られない独自の系図が記載されている。当該文献の性格から最も重要と考えられる「天孫本紀」所載の天照国照彦天火明櫛玉饒速日尊(あまてるくにてるひこあめのほあかりくしたまにぎはやひのみこと)を祖とする物部系図に注目し、その受容の様相を調査した。丹後国一宮籠神社(このじんじゃ)には、昭和51年に国宝指定を受けた「海部氏系図」「海部氏勘注系図」が伝えられる。後者の「海部氏勘注系図」では、始祖天火明の後裔にあたり籠神社の祝(はふり)を世襲した海部直(あまのあたえ)の出自を示すものである。「天孫本紀」の系譜の十九代のうち、十三代の神名・人名が「海部氏勘注系図」と一致している。「海部氏勘注系図」の成立時期は江戸時代と考えられており、「天孫本紀」に基づいて作られたと考えられる。如上の内容で、平成29年4月の古事記学会例会於ける研究発表の準備を行った。 本研究の内容と関連する研究として、宮廷儀礼としての大嘗祭(だいじょうさい)についての調査・研究を行った。大嘗祭には、『先代旧事本紀』の成立に深く関わったと考えられる物部氏の同族の石上氏が楯を立てる職掌を務めている。研究代表者は、「久米歌と大嘗祭」(『氏族伝承と律令祭儀の研究』所収)「マドコオフスマ考(『国文学研究』第162集)を発表している。折口信夫のマドコオフスマの秘儀説を否定すると、大嘗祭の即位儀礼としての意義が失われるとする批判に対し、奈良朝以前の私幣禁断(しへいきんだん)の制下では、アマテラス祭祀は天皇以外に許されておらず、即位した天皇による皇祖神の祭祀権の独占的な継承を周知せしめる点に大嘗祭の本義があることを論じた。(「大嘗祭の本義に関する私見」『古代研究』第50号)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度夏に研究代表者と分担研究者による研究発表を予定していたが、上代文学会で実施する第二回夏季セミナー「古事記・日本書紀入門」が8月に開催され、研究代表者がその責任者を務め、分担研究者も8名中6名にその講師を依頼しなければならない状況が生じた。9月以降は、セミナーの内容に関するブックレットの原稿執筆があったため、年度内の実施が困難となった。分担研究者には、密に連絡を取り、次年度の研究発表と上代文学会研究叢書に掲載する論文の内容についての検討を依頼し、最終年度に成果を発表できるよう調整を継続して行った。
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Strategy for Future Research Activity |
7~8月に1~2回の研究発表会を必ず実施して、9月半ばまでに上代文学会叢書に掲載する原稿の執筆と提出を依頼している。現在題名として予定されているのは、「先代旧事本紀の神話」「地祇本紀の出雲関係記事と石上神宮」「先代旧事本紀の系譜の受容」「せ「先代旧事本紀と尾張氏」「国造本紀の諸問題」「先代旧事本紀と物部氏の祭儀」「先代旧事本紀の写本」「先代旧事本紀の序文・本文の文字遣い」がある。課題が未定の分担研究者とは、継続的に相談を行い、6月までには研究内容を決定する予定である。 なお、提出された論文を精査して、11月に出版助成の申請を行うこととする。
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Causes of Carryover |
第3回上代文学会に研究代表者と分担研究者6名が従事したため、研究発表会の実施を平成29年度にせざるを得ない状況が生じた。また、石上神宮所蔵本の調査についても、平成29年度に延期することになった。こうした事情により、この二つの事業に関わる経費の執行を平成29年度に延期することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究発表会を平成29年6~8月の間に1~2回開催する。石上神宮所蔵本の調査については、研究代表者と分担研究者2名の間で日程調整を行い、前期中を目途に実施をする。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] 古事記受容史2016
Author(s)
工藤 浩
Organizer
上代文学会 第2回夏季セミナー
Place of Presentation
早稲田大学
Year and Date
2016-08-24 – 2016-08-25