2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K02265
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
光延 真哉 東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (70586388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉橋 正恵 立命館大学, 文学部, 非常勤講師 (90425017) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歌舞伎 / 江戸 / 年代記 / 劇書 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、従来の歌舞伎研究において十分に活用されてこなかった、A『役者名声牒』、B『続名声戯場談話』、C『続芝居年代記』という三点の「年代記」資料の翻刻を行ない、それを発表することで、当該分野における資料の面での研究環境の整備を行うことを研究の第一ステップとしている。この三点の歌舞伎年代記資料を収録した翻刻集は、翌年度(平成28年度)の刊行を予定している。そこで当該年度は、平成28年度に入ってすぐの原稿の出版社への入稿が可能な状態となるように、翻刻および解題執筆の作業を進め、原稿を完成させることを目標とした。A、B、Cの資料別の進捗は次のとおりである。 A『役者名声牒』:研究代表者の光延真哉が担当し、翻刻および解題執筆のいずれについても、目的とされる作業を終えることができた。なお、解題執筆に伴い、諸本調査を国立国会図書館、東京都立中央図書館加賀文庫、同志社女子大学等で行った。調査に際しては、国文学研究資料館所蔵のマイクロフィルムも適宜参考にした。 B『続名声戯場談話』:研究協力者の桑原博行が担当し、翻刻および解題執筆のいずれについても、目的とされる作業を終えることができた。翻刻作業にあたっては、連携研究者の齋藤千恵、研究協力者の小池章太郎、倉橋正恵の点検を行って、翻刻の精度を高めた。 C『続芝居年代記』:倉橋正恵が担当し、翻刻および解題執筆のいずれについても、目的とされる作業を終えることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
索引を除いた翻刻集原稿の完成が当該年度の目標であったが、その目標を達成することができた。 なお、作業方針の調整等を目的とした打ち合わせを3回開き、また、資料収集ならびに索引作成準備作業のためのアルバイト雇用を行ったが、これも概ね当初計画通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
翻刻集原稿は既に出版社に入稿済みである。当初の計画通り、平成28年度は本研究課題の参加メンバーで適宜分担しながら校正作業を進めていく。合わせて索引作成のためにアルバイトを雇用する予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者の地方所蔵機関への出張を、国会図書館および国文学研究資料館での調査で代用することができたので、「旅費」を予算(250,000)より大幅に削ることができた。その一方で、「その他」の費目が予算(20,000)を大きく超えてしまっている。これは年代記関係の資料で当初の想定になかったものを複写する必要が生じたためである。以上の差し引きで次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
「理由」欄に示したような経緯が当該年度に起こったので、次年度においても、年代記関係で想定外の資料複写を行う可能性がある。そこで、この額については資料複写費として「その他」の費目に計上したいと考えている。
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