2018 Fiscal Year Annual Research Report
Irish National Identity: from the War of Independence to the Troubles in the North
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15K02364
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
及川 和夫 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (50194056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 重夫 早稲田大学, 法学学術院, 名誉教授 (00130873) [Withdrawn]
三神 弘子 早稲田大学, 国際学術院, 教授 (20181860)
小林 広直 東洋学園大学, 東洋学園大学グローバル・コミュニケーション学部, 講師 (60757194)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナショナル・アイデンティティ / イースター蜂起 / アイルランド自由国 / カトリック教会 / 北アイルランド紛争 / メタ演劇 |
Outline of Annual Research Achievements |
及川和夫は2018年4月に『アイルランド詩とナショナル・アイデンティティ―The Harp & Green』(音羽書房鶴見書店、iv+234頁)を刊行して、詩を中心としたアイルランド文学がいかにナショナル・アイデンティティ(以下NI)形成とかかわったかを、トマス・ムーア、ジェイムズ・クラレンス・マンガン、サミュエル・ファーガソン、トマス・デイヴィス、レイディ・ワイルド、W.B.イェイツ、パトリック.カヴァナー、ブライアン・フリールなどの文学作品や、伝承音楽グループ、プランクシティの活動を分析して明らかにした。 またフリール『ルナサの踊り』についての論文を書き、1930年代のアイルランド社会の変容を分析した。さらにアイルランドのNI形成に大きく関わったイェイツとイギリス・ロマン主義の関係と、彼が大きな影響を受けた先行文学者であるW.ペイターの関係について二つの国際学会で研究発表した。 三神弘子はアイルランド社会のNIに大きな影響力を持つカトリック教会の問題に取り組んで論文を発表し、劇作家トム・マーフィーの『サンクチュアリー・ランプ』(1975)がいかに時代を先取りした作品であったか、そして、現代に通用する作品であるかについて論じた。またフランク・マクギネスの作品を通じて、翻案を通じたND表現の可能性を研究し、海外シンポジウムで研究発表を行った。 小林広直はジェイムズ・ジョイスの『ユリシーズ』をNIを書き換える試みとする観点から分析して論文を執筆し、国際学会で研究発表を行った。また現代アイルランドを代表する劇作家であるトマス・キルロイの『ダブル・クロス』を、ブレヒトの異化効果を応用したメタ演劇性という観点から分析する論文を執筆した。 また2018年12月12日には、アイルランド・リメリック大学教授で、国際イェイツ協会会長のマーガレット・ハーパー氏の講演会を開催した。
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Research Products
(10 results)