2018 Fiscal Year Annual Research Report
Shakespearean drama and its Contemporay Sermons
Project/Area Number |
15K02372
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
鶴田 学 福岡大学, 人文学部, 教授 (60352225)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 演劇 / 説教 / シェイクスピア / 修辞学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ロンドンの壁の外にあって享楽的な市場原理主義に支配されていた公衆劇場と、壁のなかにあってピューリタン・イデオロギーを発信した説教との関係を見直し、シェイクスピア演劇が聖俗交錯する特殊な言語空間を形成していたことを解明する目標で始まった。初年度(平成27年度)及び次年度(平成28年度)の研究においては、説教への関心から派生した修辞学への関心にシフトし、成果として英文学の分野において国際的に高評価されているNotes & Queries誌に2本の論文を掲載することができた。平成28年5月に日本英文学会において口頭発表を行った「アクションの修辞学」や同年10月に刊行された日本シェイクスピア協会刊『甦るシェイクスピア』に掲載された「隠喩としてのキケロの手」(『ジューリアス・シーザー』作品論)も修辞学の観点からシェイクスピア演劇の未解決の論点を解明したものである。三年目の平成29年度には本来の研究テーマに引き戻し、10月には日本シェイクスピア学会において『あらし』の宮廷上演と同時代の宮廷説教との関係について口頭発表を行い、その一部である重要な発見をNotes & Queries誌に掲載することができた。平成30年度には期間の延長を認められ、前年度までの、説教、聖書、修辞学の観点からシェイクスピア演劇の未解決の論点を解明する論考を試み、平成31年3月に『ヴェニスの商人』とエリザベス朝・ジェイムズ朝の説教に関する口頭発表を行った。四年間の研究期間において、シェイクスピア協会の記念論集に共著1本、Oxford大学出版局の海外雑誌に3本、紀要論文3本、全国大会の学会発表2回、地方の発表1回という成果をあげることができた。
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Research Products
(1 results)