2015 Fiscal Year Research-status Report
通言語的観点から分析する逆使役化関連形態法の広がり
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15K02489
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Research Institution | Sapporo Gakuin University |
Principal Investigator |
佐々木 冠 札幌学院大学, 経営学部, 教授 (80312784)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 英才 札幌学院大学, 経済学部, 准教授 (10405631)
白岩 広行 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 講師 (30625025)
奥田 統己 札幌学院大学, 人文学部, 教授 (60224151)
佐久間 淳一 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (60260585)
梅谷 博之 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (60515815)
Caluianu Daniela 小樽商科大学, 学内共同利用施設等, 教授 (80360973)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 逆使役 / 再帰 / 他動性 / 北海道方言 / 福島方言 / ルーマニア語 / リトアニア語 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年度は方言語形収集用のプログラムを実装したサーバを研究室に導入するなどして、逆使役構文に関連するデータの収集を行なうとともに研究会を実施して意見交換を行なうことを目標としていた。しかしながら、この目標は半分しか達成することができなかった。 データ収集に関しては十分納得のいく進捗が見られた。2015年9月に研究室にサーバを設置し、インターネット上の方言語形の収集を開始した。申請者は2007年から6年間インターネット上の方言語形をYahoo! APIを利用するかたちで収集してきた。しかし、2013年にYahoo! JapanがAPIによるサービスを終了したため、独自に語形収集を行なうプログラムを走らせる必要が出た。2015年度から実施しているこの研究計画で科研費を用いて語形収集プログラムを実装したサーバを研究室に設置した。 設置したサーバでは北海道方言の自発述語、福島方言の自発述語のデータを収集すべく語形登録を行なった。北海道方言に関しては、自発述語の標準語形と「ラ入れ」「サ入れ」形式をともに登録しデータの収集を行なった。その結果、標準語形に関してはかなりの数のデータを集めることができた。「ラ入れ」形式と「サ入れ」形式に関してはあまり多くの語形を収集することができなかった。 研究室に設置したサーバにはルーマニア語の再帰動詞も登録した。こちらは非標準的な用法の収集を目指したものであるにもかかわらず、かなりの量のデータを得ることができた。 リトアニア語に関しても研究協力者の櫻井映子氏にリトアニアに出張してもらいデータ収集を行なってもらうことができた。 一方、研究会は開催することはできなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査によるデータ収集は予想以上に進めることができた。しかし、研究成果を持ち寄って検討するための研究会を開催することができなかった。 研究代表者の研究室に方言語形検索用のサーバを設置し、自発語形の収集を行うとともに、ルーマニア語のデータ収集も併せて行った。文字コードに関する問題はあるものの、日本語方言語形収集を目的として業者に設置してもらったサーバが他の言語のデータ収集にも有効であることがわかった。また、研究協力者にリトアニアに調査出張をしてもらい、データを収集してもらうとともにバルト諸語に関する態の新しい研究動向を調査してもらうことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度は前期のうちに研究会を開催し、後期の研究方針を考えることにする。そうすることにより、2015年度研究会を行なうことができなかったことによる研究の遅れを取り戻したい。 前期のうちに研究会を行なう方針は2017年度も同様としたい。そうすることにより、年度の後半を、前半の研究活動の反省にたったものにし、より研究を前進させることとしたい。また、2017年度には研究成果を出版に結びつけたい。 2015年度に続き既存のデータの整理や新しいデータの収集に努める。そして、そのデータの分析を公にし意見交換を行なう機会を確実に持つよう努める。
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Causes of Carryover |
2015年度中に研究会を開催できなかったため旅費が大幅に余った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度は前期のうちに研究会を開催し、後期からの研究計画推進に役立つ意見交換を行なう。このことにより、2015年度に生じた研究の遅れを取り戻したい。2016年度後期は前期に開催する研究会で問題となった点を追求するため、2015年度以上に調査研究を活性化させる。
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