2016 Fiscal Year Research-status Report
音素は本当に知覚されているのか?―音素・音節並列処理モデルの検討―
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15K02493
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
石川 潔 法政大学, 文学部, 教授 (10287831)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 美穂 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (70787176)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心理言語学 / 音声知覚 / 音素の実在性 / 音節構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
まず、交付申請書に記載した研究の目的を達成するための実験設計を行った。音節構造および子音の種類を統制した非実在語(および実在語)の刺激を設計し、それらを Southern British English の話者による発話で録音した。さらに、非実在語を用いた複数の実験計画を作成し、研究代表者の発音によるダミー刺激(上記の録音が済むまでの間)および上記の Southern British English の話者の発音による本刺激(録音後)を用いて、日本在住のイギリス英語話者の協力を仰ぎ、パイロット実験を法政大学にて、研究代表者の所有する機器を用いて実施した。パイロット実験の結果に基づき、本実験の計画を絞り、実験実施予定場所のケンブリッジ大学の音声実験室にて、機器設定および実験の動作確認を行い、実験実施のための物理的な準備を終えた(2017年度に入り、実験開始済み)。 他方で、昨年度の実施状況報告書で述べた「予定されていなかった実験」については、雑誌投稿後に査読者から複数の不備が指摘された。それらの不備の克服方法を検討するとともに、そのうちの一部を克服するための追加実験を検討し、追加実験で使い得る候補として、当時日本在住だったアメリカ英語話者の発話による追加刺激を録音した。これは、発話も日本語話者によるものであり実験参加者も日本語話者であるため、結果が日本語話者の知覚特性でなく日本語話者の発話特性で解釈できる可能性を排除するためである(但し、その後の録音音声の検討の結果、そのアメリカ英語話者の発話による刺激を用いた追加実験を行うのではなく、もとの日本語話者による発話を刺激とした追加実験をイギリスにて行う方向に変更したため、その録音音声は使えない見込みとなった。この追加実験は、2017年度に入り、開始済み)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究計画で予定されていた実験は、上記の通り設計および動作確認を終えたが、実施担当の研究分担者の体調不良や家庭事情により、年度末の段階では実験開始に至らなかった(但し、本報告書の執筆段階では既に実験は開始されている)。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者が、企業への就職のために科研費受給資格を失う見込みとなった。そのため、十分な実験参加者数を確保するため、ケンブリッジにおいて、(実験参加者のみならず)実験実施の代理の担当者を探すとともに、実験実施のための9月以降の研究協力者のイギリス渡航(および日本国内での実験参加者探しの可能性)も検討している。
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Causes of Carryover |
研究分担者の体調不良や家庭事情により、実験実施の開始が遅れたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究分担者にかわる実験実施担当者を探し、その方への謝金を支出するとともに、次年度後半に研究協力者が渡英して実験実施を行う場合の渡航費等を支出する。
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