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2016 Fiscal Year Research-status Report

方言の推量表現に関する文法記述的研究

Research Project

Project/Area Number 15K02582
Research InstitutionKobe Women's University

Principal Investigator

橋本 礼子 (舩木礼子)  神戸女子大学, 文学部, 准教授 (00454736)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2018-03-31
Keywords推量表現 / 方言文法 / 石見方言 / 長門方言
Outline of Annual Research Achievements

長門・石見地域の推量表現について、津和野町・益田市・須佐(萩市)において、生え抜きの老年層・中年層インフォーマント数名に面接調査を実施した(8月)。また島嶼部での状況を把握するために、見島(萩市)でも同様の調査を行った(8月)。このような質的調査によって得られたデータをもとに、推量表現、確認要求表現およびその周辺的意味を担う形式群に関する形式と意味との整理を進めた。特に老年層において、推量表現形式(「ロー」および「ジャロー(ヤロー)」)と動詞の活用(特にラ行五段化)との関係、否定推量表現形式との関係、意志表現との関係が見えてきた。これによって当該地域の推量表現・確認要求表現などに関わる部分体系がある程度把握できたが、部分的に不足している情報があり、次年度も継続してデータ収集と分析を進める必要がある。
また益田市では若年層の日常的な使用状況を把握するために、自由会話形式の談話資料の収録を行った(8月)。この談話資料を定量的な分析に使用できるように作業を進めつつある。
面接調査による共時的データの収集と並行して、既刊の方言資料や方言地図を用いての用例抽出作業を行った。当該地域については江戸期以前の方言資料が多くはないため、現在のところ、時期・地点・ジャンルにばらつきのある用例を点描するような状況である。引き続き、分析に耐える資料を探し、記述内容を精査する必要がある。
国立国語研究所のプロジェクト(FPJD)での分析結果については、前年度に発表した内容を論文化し、論文集『空間と時間の中の方言』(共著、朝倉書店)として刊行するための作業を行った(印刷中)。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

老年層の臨地面接調査に関しては、協力的なインフォーマントにめぐりあうことができたため、調査がうまく進んだ。一方で、中・若年層はなかなかインフォーマントとの日程的な調整がつかず、調査の実施が難しい。代替的な方法として若年層については自然談話の収録を行うなど、工夫した。

Strategy for Future Research Activity

本研究課題については、まず昨年度までに面接調査で得た共時的データとそこから導き出した知見を整理し、不足する情報を追加調査等によって補い、当該方言の推量表現体系を記述することを第一の課題として進める。またこの作業と同時進行で、他地域の推量表現体系との対照もすすめる。一定の結果がまとまれば、学会または研究会等で報告できるよう準備する。
分析には、昨年得た若年層の談話データも利用するが、必要が生じれば本年度は追加調査に加えて老年層の談話データの収録も試みる。
さらに並行する作業として、方言資料などから得た用例を通時的データと位置づけ、推量表現体系の変化を長いスパンで考察できるように資料収集と用例の分析を進める。

  • Research Products

    (1 results)

All 2016

All Book (1 results)

  • [Book] 新日本言語地図―分布図で見渡す方言の世界―2016

    • Author(s)
      大西拓一郎編、新井小枝子、大西拓一郎、岸江信介、小西いずみ、椎名渉子、津田智史、鳥谷善史、中井精一、日高水穂、福島秩子、舩木礼子、三井はるみ、村上敬一
    • Total Pages
      304(8-9, 238-261)
    • Publisher
      朝倉書店

URL: 

Published: 2018-01-16  

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