2016 Fiscal Year Research-status Report
成人学習論に基づく「アジアの日本語教師研修システム」の構築
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15K02649
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
池田 広子 目白大学, 外国語学部, 教授 (80452035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 香 玉川大学, 教育学部, 教授 (20436728)
宇津木 奈美子 帝京大学, 帝京スタディアブロードセンター・日本語予備教育課程, 講師 (90625287)
半原 芳子 福井大学, 大学院教育学研究科・教職開発専攻, 特命助教 (00637811)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 教師研修 / 成人学習 / ラウンドテーブル / 実践コミュニティ / 省察的実践者 / 意識変容の学習 / ふり返り(省察) / 実践の理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日中で実施してきた「成人学習論に基づく日本語教師研修プログラム」を継続し、参加者教師の認識と運営側の学びを明らかにすることを目的とする。平成28年度は本プロジェクトを内包する研究会を継続し、日中両国で当該日本語教師研修を実施し、参加者教師の認識と運営側(ファシリテーター、コーディネーター)の実践データを収集し分析を行った。 【研究2】(参加者教師の意識形成を質的研究によって明らかにする)では、継続的な参加者を追跡し分析・考察を行った。得られた結果は、カナダ日本語教育振興会年次大会JALE2016CAJLE Annual Conference 2016にて口頭発表(2016年8月18日)を行った。さらに精緻化して論文として刊行する予定である。【研究3】(くり返しサイクルの全過程の中で本研修プログラムを通し運営者の認識の変化を明らかにする)では、日中両国の運営者の学びを考察した。結果は2016年5月22日の日本語教育学会春季大会で発表した。 この他、長期的な運営者の学びを時間軸上(初期・中期・後期)で区分して考察した。この結果は、2016年9月 日本語教育国際大会 ICJLE 2016 インドネシア・バリで発表。学術誌 2016年『日語教育与日本学2016』第8号に掲載された。 上記のほかに、研究叢書を刊行した(理論編と実践編があり、全8章で構成)。この内容の中には成人学習論と日本語教師教育の考察、当該プログラムの参加者の学びと知見などを掲載した。また、2016年『ことばと文字』6号で、研究論文として当該プログラムの研究1に関する結果・考察が掲載された。今年度は研究発表3件(国内1、海外2)、論文(海外学術誌1、国内1)、研究叢書1冊であった。来年度は研究1の量的分析と研究4に着手し、引き続き研究を進めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該プロジェクトの運営側においては、順調に内省データを蓄積しつつある。また、平成29年度も当該研修の国内(関西)と海外(上海)での実施が予定されており、継続的に運営できる見通しがある。これとともに縦断的なデータが収集できそうである。 しかし、量的分析は進行が遅れている。そのため、参加者を対象にした質問紙の作成や量的分析が必要である。全体的な評価としては、「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
【今後の研究推進方策等】 (1)引き続き日中両国で当該教師研修を実施し、内省データを収集するとともに、日中の参加者日本語教師にも焦点を当てた分析を行い、論文にまとめる予定である。(2)継続的に参加している参加者を対象に半構造化インタビュー、質問紙調査の準備を始める。(3)日中の運営者、参加者らの其々の学びの特徴を特定し、共通点を見出したい。
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Causes of Carryover |
出版費280,360円については処理を進めていたが、平成28年度内に精算ができなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度4月に280,360円を出版費として既に執行処理済。
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