2015 Fiscal Year Research-status Report
「帝国臣民」と「日系市民」の教育―米国版およびハワイ版『日本語讀本』の比較研究
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15K02660
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
森本 豊富 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (30230155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 満宏 京都女子大学, 文学部, 教授 (30298682)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | シアトル / タコマ / オアフ島ホノルル / ハワイ島ヒロ / 日本語学校 / 日本語讀本 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は森本、坂口がワシントン州タコマ及びシアトル、森本がハワイ島ヒロ、坂口がオアフ島ホノルル、ハワイ島ヒロ、コナで日本語学校関係資料を調査した。 ワシントン州タコマでは、Washington State Historical Society Research Centerが管轄するスペシャル・コレクションで集中的に調査した。日米開戦直前までタコマ日本語学校が所蔵していた教科書、副教材、教育関係図書ならびに生徒の学習ノートなど100箱以上が今日までほとんど整理されることなく埋もれていた。今回の調査では、同資料群のなかから国語教科書ならびに日本の国定教科書すべてを取り出し、科目別・巻数別に並び替え、目録を作成した。また、タコマ仏教会で元タコマ日本語学校の生徒であった人物と面会し、タコマ日本語学校時代のことならびに2014年にワシントン大学タコマ校キャンパス内に建立された日本語学校記念碑について聞き取り見学することができた。また、シアトルのワシントン大学図書館スペシャル・コレクションに移管されたタコマ日本語学校関連の貴重な史料も閲覧し、デジタルカメラで撮影することができた。 ハワイ州では、坂口がハワイ州ホノルル、ヒロ、コナにおいて日本語学校等を併設していた寺社を訪問し関係資料を調査した。また、本願寺ハワイ別院において数名の京都女子学園の同窓生と面会し、ハワイ同窓生の近況を知ることができた。森本はハワイ島ヒロにおいてHawaii Japanese Center所蔵の日本語教科書を整理しデジタルカメラに収めた。また、約3000冊の和書を現地スタッフらの協力を得て分類整理し、日本語教育や教育一般に限らず、ハワイ島ヒロにおける日本人移民、日系人研究に資する基盤作りにも役立つように努めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ワシントン州シアトル、タコマでは当初の計画以上に収穫の多い調査となった。ハワイ州ホノルルおよびコナ、ヒロでは、今後の調査に期待がもてる成果をあげることができたが、全体像を把握するにはしばらく時間がかかることもわかった。当初計画していたカリフォルニア州での調査は、予算上、また日程の都合で実施することはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目もシアトルのワシントン大学図書館所蔵のタコマ日本語学校関連資料を閲覧し、デジタル化を計画している。ハワイにおいても、さらなる調査をホノルルとヒロを中心に実施していきたい。カリフォルニア州については、ワシントン州とハワイ州での進捗状況をみながら、予算上可能であれば実施したい。
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Causes of Carryover |
予定していた旅費より若干安く処理することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の旅費に追加して支出することを計画している。
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