2017 Fiscal Year Annual Research Report
Quantitative Descriptive Analysis of the Process of Article Selection in English by Japanese EFL Learners
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15K02680
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
高橋 俊章 山口大学, 教育学部, 教授 (00206822)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 定冠詞の選択 / 特定性の役割 / 第2言語習得 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人英語学習者は不可算名詞・抽象名詞における定冠詞の使用を苦手としていることがこれまでの調査でわかっている。その原因としては、定(definite)かどうかの基準が曖昧で、はっきりとせず、定冠詞使用条件の判断が困難であることが考えられる。教育文法の観点から考えると定冠詞使用の条件は明瞭で単純なもので、日本人英語学習者が迷わず適用できる基準である必要がある。そのため、本研究では不可算名詞や抽象名詞の場合における、定冠詞の選択基準として最適な基準を見いだすことを目的として調査を行うこととした。 The Fluctuation Hypothesis (Ionin, Ko & Wexler, 2004) を含め、現在主流の考えによれば、名詞の可算性に関係なく、「唯一性」の基準(ある状況や場面の中で、指示対象物が話し手と聞き手にとって唯一のものとして特定可能かという基準)で定冠詞の選択が可能だと主張されている。しかしながら、不可算名詞や抽象名詞は、境界性や個別性が乏しいため、唯一性の基準を適用することが困難であり、もし、唯一性が不可算名詞や抽象名詞の場合には適用しにくいのであれば、別の基準が必要であることになる。本研究では、英語の母語話者の子どもが用いている「一般的・特定的」の基準を代替の基準として適用する可能性について検証した。その結果、「唯一性」の基準で不可算名詞・抽象名詞における定冠詞の選択を説明する問題点があることがわかった。逆に、「一般的・特定的」の基準を用いることに妥当性があることを示した。最後に、調査結果から得られる教育的示唆についても考察した。
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