2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K02905
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
堀地 明 北九州市立大学, 外国語学部, 教授 (70336949)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 清代中期 / 北京 / 食糧流通 / 漕糧の商品化 / 米穀退蔵制限 / 米穀搬出制限 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は第2年であり、19世紀前半北京の食糧問題に関する研究を最重点とした。4月より9月までは、7月に北京で史料調査を行った他は、日本国内での研究を進めた。北京の食糧問題については、日本国内と北京での一次史料の調査を行い、内外の図書館・公文書館が所蔵する漢籍・和書・地図・統計・各種公文書・調査記録を調査収集した。 史料調査の成果をまとめ、京都大学人文科学研究所「転換期中国における社会経済制度」共同研究班(7月1日)と七隈史学会外国史部会(9月24日、福岡大学、福岡市)において、「清代北京の食糧流通」と題する口頭報告を行った。口頭報告での貴重な意見をふまえ、七隈史学会『七隈史学』に投稿し、査読を経て、2017年3月に論文「清代北京の食糧流通」として公表した。また、8月に近世江戸・オスマン朝イスタンブール・絶対王政期ロンドンとの共対比協同研究「近世巨大都市の災害と復興」の会合で、「1801年北京の水害と救荒」と題する研究報告を行い、他都市との対比的議論を行い、中国都市からの研究課題を整理する一助とった。 10月より3月までは、中央研究院近代史研究所にて、史料調査と研究を進めている。中央研究院が架蔵する内閣大庫档を中心に研究課題と関連する史料の収集し、データベース化をはかり、解析を進めている。研究課題は、清代北京の食糧流通について考察時期を19世紀前半に焦点をしぼり、これまでの研究成果で十分に考察できなかった諸問題について、先行研究の批判的検討と一次史料の判読・整理・図表化の作業を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年目は第二の中心的課題である食糧流通について成果をあげることができた。また、研究成果も2篇の単著論文として公表できた。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、北京の災害と食糧問題について、研究を進める。19世紀前半の食糧問題については、昨年度10-3月期の課題について研究を進める。また、復興の問題については、一時史料の収集と判読を通じて、研究課題をより明確にしてゆく。
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Causes of Carryover |
人件費と謝金を予算として計上していたが、本年度も執行がなかった。また、その他はほとんどが文献複写代であるが、海外での複写費が比較的安価であったため、上記のように差額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
人件費と謝金については、計画を再考し、他の費目で使用する等の方策を考えるが、無理な執行とならないように留意する。写真撮影を依頼する場合、日本国内での文献複写は海外よりも割高であり、この点を踏まえ「その他」の項目の執行に留意する。
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