2018 Fiscal Year Annual Research Report
Socio-cultural history study of record tradition found in local gazetteers, inscriptions and writings in early Modern Southeast China
| Project/Area Number |
15K02910
|
|---|
| Research Institution | Nihon University |
|---|
Principal Investigator |
須江 隆 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90297797)
|
|---|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 健哉 東北大学, 文学研究科, 専門研究員 (60419984)
高橋 亨 東北大学, 文学研究科, 専門研究員 (20712219)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
| Keywords | 東洋史 / 中国近世史 / 中国近世東南沿海地域 / 地域史 / 地方志 / 碑文 / 筆記史料 / 記録伝承 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
中国近世東南沿海地域の歴史性と地域性の解明に向けて、各種地方志編纂の系譜復元及び序跋文解析作業を継続し、史料的特質を究明した。また筆記史料『夷堅志』の地域史研究への活用の便をはかる作業もより進展させた。具体的な研究実績は、以下の通りである。
１．研究代表者は、前年度より継続して浙江台州地区に着目し、『台州経籍志』に見える歴代地方志の系統的分析を進展させ、当該地区の地方志編纂の系譜の輪郭を復元した。また中国東南沿海各地域の記録・逸話の伝承過程を探るために、引き続き電子テキスト化された地方志を購入・駆使し、各種地方志に長期にわたり記録された各地域の叙述の抽出作業を継続的に進めた。加えて『夷堅志』所収の逸話の事実関係を検証するために、東北大学において、各逸話の舞台となった地域の地方志を悉皆的に調査した。
２．研究代表者は、本研究の初年度に計画して実行した、『夷堅志』に関する国際会議での成果を含む欧米圏の研究者との学術交流の意義を、英文で論文化し、今後の『夷堅志』をめぐる国際共同研究に備えた。また『夷堅志』所収のフィクションを含む逸話を、如何に中国地域史研究に活用するべきかについての成果を、中国史研究者の立場から口頭で発表した。
３．研究代表者と２名の研究分担者は、『夷堅志』の地域史研究への活用の便をはかるための打合せや研究作業を継続し、『夷堅志』支甲10巻部分の訳注稿づくりと、各逸話のキーワード・登場人物・時期などの項目の表化作業を進展させた。表については、昨年度完成した暫定版の精緻化をはかり、訳注稿に関わる作業については、『夷堅志』支甲巻1及び巻2の全逸話の読解・分析をほぼ終えるに至った。
４．研究分担者の渡辺健哉と高橋亨は、『夷堅志』所収の都史市関連、乃至は制度史関連の逸話の比較史的な分析に資するために、元・明時代や日本古代末期に関わる当該分野の成果を論文及び口頭で発表した。
|
Research Products
(11 results)
