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2015 Fiscal Year Research-status Report

フランス地方都市における都市化と社会政治空間―ローカルガバナンス・アプローチ

Research Project

Project/Area Number 15K02925
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

小田中 直樹  東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (70233559)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2019-03-31
Keywords都市政策 / フランス / 移民 / 社会住宅
Outline of Annual Research Achievements

■2015年度は、20世紀のモンペリエ(フランス南部)における社会政治空間の構造、人口移動のトレンド、および都市政策の展開について、先行研究のチェックや、統計資料や同時代定期刊行物の収集と分析、主要分析対象たるモンペリエ市文書館所蔵資料に対するアクセスの開始をつうじて、総体的に分析を開始する予定であった。
■しかしながら、すでに国内に所蔵されている先行研究や統計資料をチェックし、モンペリエ市文書館におけるリサーチを開始した段階で、同館所蔵資料のうち本研究に直接関係する資料系列「W・現代」を収納する同館同時代部門の資料保管庫が、アスベスト対策のため2016年春に閉鎖されることが急遽決定された。閉鎖期間は3箇月と伝達されたが、フランスの場合、このような予定が守られることは絶望的に少ない。そのため、同資料系列に含まれる所蔵資料の閲覧・複写を最優先し、年間に2回・合計5週間同館でリサーチをおこなうことに予定を変更した。本年度の経費の使用がすべ海外旅費となっているのは、そのためである。
■そのうえで、同館アーキヴィストであるピエール・ジュアン・ベルナール氏の助言を得つつ、モンペリエ市内の特定地区に空間的な対象を絞りこむことにより、限定された滞在期間のあいだにコーパス(一定のまとまりを持った資料群)を構築するべく努めることにした。具体的には、まず同市西部に位置するプティ・バール(Le Petit Bard)地区と、ついで西北部に広がるパイヤード(La Paillade)地区である。
■両地区は1960年代に開発されるので、同年代から2010年代にかけての半世紀分について、同館所蔵資料系列「W」をチェックした。このうちプティ・バール地区については、ほぼコーパスを完成することができた。それをもとに、2016年6月末をメドとして論文を執筆する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

■当初は、2015年度は、研究のスタートとして、モンペリエ市の総体について、20世紀全般を対象として、社会政治空間の構造・人口移動のトレンド・都市政策の展開のあり方・変動・連関の総体に接近するという若干漠然とした課題を設定していたが、上記ベルナール氏のほか、モンペリエ市文書館諸部門責任者諸氏と意見を交換する過程で、特定地区に関するコーパスを構築することが重要であるという認識が得られた。
■また、同館同時代部門資料保管庫の閉鎖という出来事が生じたが、同事態に対する対応として、上記コーパス作成を急ぎ、また、プティ・バール地区について、どうにかコーパスの作成を(完全に、とまではいえないが)完了することができた。これら全ては予期せぬ事態であったが、結果としては当初の計画を上回る進展がみられた。
■さらに、プティ・バール地区の開発の歴史的な展開プロセスについては、論文として取りまとめ、同館が発行する学術誌『Bulletin Historique de la Ville de Montpellier』に掲載することを勧められた(締切は2016年6月末)。2016年3月からは、その準備として上記コーパスの分析を進めている。

Strategy for Future Research Activity

■2015年度に引続き、プティ・バール地区について構築したコーパスの分析を進め、論文を執筆する。
■それに続き、パイヤード地区に関する資料収集とコーパスの構築を進める。モンペリエ市行政当局の資料はモンペリエ市文書館同時代部門資料保存庫に所蔵されており、アクセスの可否はアスベスト対策工事の進捗の度合いによる。工事が完了し、アクセスが可能になった場合は、資料の閲覧・複写を進めると同時に、先行研究・統計資料・同時代定期刊行物のリサーチを再開する。
■アクセスが困難な状況が続く場合は、先行研究や統計資料の分析と、モンペリ都市圏立図書館における同時代定期刊行物のリサーチを進める。また、モンペリエが位置するエロー県文書館にある程度の資料が所蔵されていることが想定されるので、同館におけるリサーチをおこなう。

Causes of Carryover

■モンペリエ市文書館のアスベスト対策工事が急遽決定し、研究の手続きを修正せざるをえなくなった。その結果、研究の空間的な対象を特定地区に限定し、コーパスを構築し、それを元にしたモノグラフを準備・執筆する、という作業を繰り返す、という手続きを採用することとしたが、そのため、2016年3月からは手元にあるコーパスの分析を優先することになり、予定していた先行研究をはじめとする図書の購入と検討をおこなうことができなくなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

■次年度使用額は5万円程度と軽微であり、プティ・バール地区に関するモノグラフの執筆、パイヤード地区に関するコーパスの構築、モンペリエ市の総体における社会政治空間の構造・人口移動のトレンド・都市政策の展開の把握、という、予定している研究手続きのなかで、2016年度分とともに使用される予定である。

  • Research Products

    (6 results)

All 2016 2015

All Journal Article (3 results) (of which Acknowledgement Compliant: 3 results) Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] Who is Lying on the Procrustean Bed?2016

    • Author(s)
      小田中直樹
    • Journal Title

      東北大学TERGディスカッション・ペーパー

      Volume: 342 Pages: 1-12

    • Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] 「政治」の「文化」から「政治的なるもの」の「文化変容」へ2015

    • Author(s)
      小田中直樹
    • Journal Title

      東北大学TERGディスカッション・ペーパー

      Volume: 336 Pages: 1-15

    • Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] 歴史教育における高大接続を実りあるものとするために2015

    • Author(s)
      小田中直樹
    • Journal Title

      東北大学TERGディスカッション・ペーパー

      Volume: 337 Pages: 1-12

    • Acknowledgement Compliant
  • [Presentation] Comment: ‘From Identity to Interest’ for doing History Ethically2015

    • Author(s)
      小田中直樹
    • Organizer
      evening session on History and Ethics、22nd International Congress of Historical Sciences
    • Place of Presentation
      handong University (Jinan, China)
    • Year and Date
      2015-08-28
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] コメント2015

    • Author(s)
      小田中直樹
    • Organizer
      日本西洋史学会大会小シンポジウム「世界史教育における大学と高等学校間の壁をどう乗り越えるか」
    • Place of Presentation
      富山大学(富山県・富山市)
    • Year and Date
      2015-05-17
  • [Book] 現代国家と市民社会の構造転換と法2016

    • Author(s)
      小田中直樹、角松生史、世取山洋介、山本顕治、都築幸恵、桑原勇進、横田光平、佐々木弘通、小玉重夫、進藤兵、藤川久昭、長谷川貴彦
    • Total Pages
      300頁(pp.157-177)
    • Publisher
      日本評論社

URL: 

Published: 2017-01-06  

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