2017 Fiscal Year Annual Research Report
A Demonstrative Study on Atlantic History Based on New Historical Documents in American History
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15K02936
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
和田 光弘 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (10220964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森脇 由美子 三重大学, 人文学部, 教授 (10314105)
久田 由佳子 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (40300131)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | アメリカ史 / 大西洋史 / オネイダ運河 / 南北戦争 / 海事史 / アメリカ植民地時代 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者、研究分担者、研究協力者は、それぞれの担当する研究課題について研究を深化させるとともに総括をおこなった。主要設備としては、大西洋史研究に必須の史料集成『ヴァージニア会社文書データベース』の導入が特筆される。研究代表者の和田は、独立革命期・建国期における私掠船船長に関する私蔵の未刊行手稿史料の分類と整理、さらに当該史料の物理的組成(テクスチャ―)の検討やテクストの分析を鋭意進めた。その最新かつ総括的な成果は、本年3月に刊行した全50頁の『研究成果報告書』(以後、『報告書』)を参照されたい。またその他の研究成果も含めて、2016年に単著を刊行している。さらに著書所収の文章1点、書評2点、口頭報告等3点、その他2点がある(『報告書』参照)。研究分担者の森脇は、オネイダ運河の建設に尽力した地域の名士ゼブロン・ダグラス大佐の一族に伝えられていた貴重な未刊行手稿史料(森脇私蔵)を主たる対象として、テクスチャ―と原文テクストの分析を一層進展させた。同史料を紹介・分析した最新の成果は『報告書』に収録されている。さらに著書所収の論文1点がある。研究分担者の久田は、アメリカ連邦議会図書館での調査資料、特にイギリスで発行され、親米派と見なされた新聞の記事を検討し、南北戦争期における米英関係の危機を招いた「トレント」号事件に関するイギリスの動向を明らかにした(『報告書』参照)。さらに著書所収の論文2点、雑誌論文2点、書評1点、口頭報告等2点がある。研究協力者の笠井は、これまで史料として多用されながらも、船乗りの歴史を語るテクストとして用いられてこなかった新聞記事を読み込み、その結果、船乗りが植民地社会における情報伝達媒体としての役割を果たしていたことを明らかにした。そして、その他の研究成果も含めて、2017年に単著を刊行した。さらに著書所収の論文1点、翻訳等2点、口頭報告等2点がある。
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Remarks |
最終年度のその他の業績は次の通り。書評:和田光弘「岡本勝著『アメリカにおけるタバコ戦争の軌跡』」(『西洋史学』264号、2017年)、久田由佳子「和田光弘著『記録と記憶のアメリカ』」(『アメリカ経済史研究』第16号、2017年)。口頭報告等:久田由佳子「第227回名古屋アメリカ研究会例会報告」(南山大学、2018年)、笠井俊和「第227回名古屋アメリカ研究会例会報告」(南山大学、2018年)。
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Research Products
(5 results)