2015 Fiscal Year Research-status Report
中世後期イングランドの聖体拝領にかんする説教史料の研究
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15K02949
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
赤江 雄一 慶應義塾大学, 文学部, 准教授 (50548253)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 聖体の祝日 / マス・メディア / 説教 / ヨーロッパ中世史 / 古文書学 / 史料研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に基づき、本年度は、14世紀初期から15世紀までに主に聖体の祝日のために著述されたラテン語説教と、俗語(中世英語)説教を可能な限り網羅的に収集する作業に重点を置いた。それと同時に、説教史料のみならず、関連する聖体に関する当時の議論を追うことができる史料および二次文献の収集も行った。 前者については説教写本目録の網羅的検討を行い、関連資料を含め可能性のある写本をリストアップし、マイクロフィルム(あるいはそのデジタル化された画像)が入手可能な写本についてはその入手手続きを進めた。2015年9月にはオックスフォードで資料収集を行った(それと共に同地で開催されたドミニコ会の学会において最新の研究の状況を把握すると同時に研究打ち合わせを行った)。2016年3月には資料収集のためにイギリスに赴き、オックスフォードとケンブリッジではデジタルカメラで写本の撮影を行った。 後者に関連して、聖体に関する説教に関する既存研究を検討するなかで、1381年におきた中世イングランドで最大となったと農民反乱時におけるジョン・ボールの説教が焦点としてうかびあがってきた。説教写本にとどまらず、年代記における説教の記録という観点から史料収集を進め、その分析に基づいて聖体の祝日とボールの説教の関連についての成果の一端を2015年10月に早稲田大学高等研究所で研究報告した。 さらに、前者の説教史料に関しては、マイクロフィルム画像および写真撮影により入手した写本の文字起こし、あるいは翻刻 transcription 作業をすすめた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
聖体の祝日に関する説教史料の収集にかんしては当初の目標数(全体のの半数強)を収集できた。説教史料の文字起こし作業に関しては、当初の計画よりも遅延しているが、それを補う年代記史料に基づいた研究上の成果が当初の想定以上に進展をみたので、全体としてみればおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
聖体の祝日に関する説教史料の収集について引き続き進展を図ることと同時に、史料からの文字起こし作業を進める予定である。さらに、年代記における記述の研究については予定を早めて公刊にむけての作業を進める。聖体の祝日に関する説教資料分析にあたって必要な説教テクニックの調節等についての研究報告をおこないつつ、収集した資料の分析を進めていく。
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Causes of Carryover |
謝金と物品費に関しては本年度の作業では用いなかった部分が生じてたためである。この部分は、次年度での研究活動において活用される。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費については、それぞれマイクロフィルム(あるいはそれのデジタル化されたもの)および関連資料の収集のため、謝金に関しては英語の校閲作業に関して次年度に当てられる。
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Research Products
(4 results)