2018 Fiscal Year Annual Research Report
Diplomatic etiquette as an expression of being a 'civilized country' in the West - Crucial co-existence among rivaling countries in overseas lands, especially in Japan.
Project/Area Number |
15K02967
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
小暮 実徳 天理大学, 文学部, 准教授 (90537416)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ドンケル・クルチウス / タウンゼント・ハリス / ブランデンシュタイン城文書 / オランダ国立文書館 / ライデン大学 / 幕末期のオランダ対日外交政策 / シーボルト |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は夏、長崎でオランダ国ライデン大学教授ブイケルス先生と意見交換を行った。先生は本研究の中心人物駐日オランダ全権ドンケル・クルチウスの活動を大変評価されており、そこで更なる研究進展への激励を受けた。その理由は、駐日アメリカ全権ハリスが日米修好通商条約を締結したことにより、ドンケル・クルチウス自身への外交的評価が難しく、ここからか、彼の当該研究がほとんどないことによる。この研究状況に先生は、当時の評価と、その後の広い歴史的視点から見た影響を含め評価すべきと述べられた。先生のご意見は、今後の方向性の修正、また新たな意義付けの点で貴重であった。また現地訪問を充実させるため、長崎のオランダ史跡を巡った。 冬にはオランダ・ドイツ現地調査を行った。ドイツ調査では、多角的視野の必要から、シーボルト個人文書を有するブランデンシュタイン城に赴き、関連史料収集を行った。同文書は個人所有でありアクセスが難しい。しかしオランダ国立民族学博物館シニア上級員フォラー博士にコーディネートを依頼し実現した。この際関連未見史料を収集できたことは、大きな成果であった。またオランダでは新史料の捜索、また今まで写真撮影で収集したが判読困難な史料の確認、その再撮影も行った。更に必要な史料ではあったが、損傷による修復中で今まで閲覧できなかった史料の撮影もできた。この際予想外であったが、一枚一枚文書を検討することで、現在研究中の「ドンケル・クルチウス覚書」の抜粋を発見した。これは既にドンケル・クルチウスが送ったが、リマインダーのつもりで再送したものかと思われる。しかしそうすると彼の覚書は、1858年以降オリジナルが蘭領東インドにのみ留まっていたと考えていたが、やはり複写をオランダ本国に送っていた可能性を認識できた。 更に成果公表を意図し、ブイケルス教授に今まで打ち出した史料の校正を依頼した。
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