2016 Fiscal Year Research-status Report
開かれたコモンズとしての共同店―持続的共有財の存立条件について
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15K03092
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Research Institution | Takaoka University of Law |
Principal Investigator |
上地 一郎 高岡法科大学, 法学部, 教授 (60534401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越智 郁乃 立教大学, 観光学部, 助教 (10624215)
加藤 光一 松山大学, 経済学部, 教授 (60244836)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | コモンズ / 持続的共有財 / 共同店 / 共同性 / 資源管理 / 入会 / 総有 / 買い物弱者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2年目であり、愛媛県大洲市、沖縄県国頭村字奥、字安田、那覇市天久の四つの既観測地の定点調査を中心に、新規観測地の基礎調査、そして他の研究グループとの共同研究会(調査合宿)、そして文献研究を中心に行った。 [現地調査] 現地での追加のヒアリング、文献収集を行い、現地との結びつきは確実に進展している。愛媛県大洲市の調査においては、加藤(分担者)が豊茂地区の共同店類似組織の利用者に対するヒアリング調査を行い、近日中に調査報告を公表する予定である。沖縄県国頭郡国頭村の安田共同店と奥共同店、そして那覇市天久の資源管理団体の調査においては、継続的にヒアリング調査を行っており、とくに奥共同店については、奥出身者の親睦団体である奥郷友会(那覇市)の主要メンバーからの聴き取りを行ない、奥共同店の重層的な構造の把握に至っている。那覇市天久の調査対象については、越智(共同研究者)が調査を行い、成果を上げている。また、本年度は、高知県における中山間地域対策事業の一環として高知県下の各地に設立されている高知県集落活動センターを共同店類似組織として位置づけ、とりわけ高知県梼原町の三か所の集落活動センター調査を実施し、新たな観測地として研究の視野を広げた。 [文献研究] 引き続き現地で収集した資料の分析にあたるとともに、新たな資料の収集に努める。 [研究会] 当科研グループの研究会を継続して行うとともに、本年度は、他の二つの科研グループとの共同研究会において調査合宿を二度行い、協同の研究作業は順調に進んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査、文献研究、研究会、他科研グループとの共同研究会などは予定通りに進展しているが、一方で中間の成果発表に関しては少し遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
[現地調査] まず四国地域においては本年度も愛媛県大洲市豊茂地区ならびに高知県の中山間地域における共同店類似組織の現地調査を行う。次に沖縄県においては、国頭村ならびに那覇市天久の調査を今後も継続する。さらに与那国島に近年開業した新しい共同店の調査を検討中である。 [文献研究] 海外のコモンズ関係の文献の収集、読解に移行し、理論研究を進める。 [研究会] 当科研グループの研究会を行うとともに、引き続き他の研究グループとの協働を進める。 [研究成果の発表] 現地調査の成果発表を中心に行う予定である。
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Causes of Carryover |
沖縄調査に参加予定であった研究協力者(小川)の日程の都合がつかなかったこと、また調査地を二箇所増やす予定であったが、一箇所としたため、調査旅費に予定していた額を使用できなかったことによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでの調査地での調査結果を検証するため、調査地での滞在を増やすための費用に充てる予定である。
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