2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study relating to the comprehensiveness of local administrative affairs
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15K03117
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
内藤 悟 東海大学, 法学部, 准教授 (10592347)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 法執行 / 総合性 / 自治体行政実務 / 地方自治 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、地方分権改革を経て総合行政主体とされる地方自治体の総合行政の実態について、法執行の観点から明らかにすることを目的として、文献調査、主要な政策分野における条例執行過程に係るヒアリング調査を行うものである。学術的には明確にされなかった総合行政の理論的背景と自治体行政実務の実態から地方自治体の総合行政の可視化を目指した。 最終年度となる平成29年度は、第一に、初年度から継続した総合性概念に係る文献調査を再検討し、2017年9月「自治体行政実務から見た総合性に関する一考察」東海法学54号,pp67-94として公表した。本稿では総合行政主体としての地方自治体に至る、地方自治の「総合性」に係る概念の歴史的変遷を概観するとともに、実定法上の総合性概念の諸相を整理した。第二に、前年度からの自治体の実態調査の継続として、再生可能エネルギー発電施設建設の調和に関する新条例、既存の条例(環境影響評価、林地開発、景観)、審査基準の改正等、自治体の行政対応に係る資料調査とヒアリング調査(自治体担当部局、関係住民)を実施した。特に太陽光発電施設に係る行政手続の中で、研究計画時に想定していた林地開発行為に係る手続を対象とした。第三に、総合的対応を実例として、新たに水循環基本法以後の地下水保全に係る行政対応の実態について対象自治体の実態調査を行い、実例を補足した。なお、これらについては平成30年7月に学会報告が確定している。 国の地方制度における「上から」の総合性に対して、各法の執行過程として自治体行政実務における「下から」の総合性を対比することで、その多様な含意が示され今後の地方自治において示されるべき総合性を展望することが可能となった。
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Research Products
(2 results)