2015 Fiscal Year Research-status Report
東アジア4カ国のマンション法制の比較と課題ー欧米法との比較も踏まえてー
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15K03227
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
鎌野 邦樹 早稲田大学, 法学学術院, 教授 (00204610)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 区分所有 / 区分所有法 / 区分所有建物 / マンション法 / マンション / 比較法 / 東アジア / 韓国・中国・台湾 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、研究代表者が、国内連携研究者及び海外研究協力者の協力を得て、これまでに行ってきたマンション(区分所有)法制に関する日本法と欧米法(ドイツ、フランス、イギリス、アメリカ、スイス、オーストリア、ベルギー等)との比較研究の成果(平成24年度~平成26年度・基盤研究(C))を踏まえて、東アジア(韓国、中国、台湾及び日本)のマンション(区分所有)法制について、各国の法制と実態を調査して、欧米法との比較及び東アジアの各国間の比較を行い、東アジア各国の課題を明らかにし、さらに、日本の現行法制の下での具体的な紛争の解決および今後の立法を検討するにあたり参考に資することを目的とするものである。 本研究の初年度である本年度においては、当初の研究実施計画に基づき、以下の調査・研究を行った。①基礎作業として、欧米および東アジアの立法について、最近の改正の動向を調査し、そのうち、特にオーストラリアのニューサウスウェールズ州のマンション法制の改正(2015年11月)に着目し、連携研究者(岡田康夫・東北学院大学准教授)の協力を得て、その翻訳に着手した。また、海外研究協力者(カンヒョクシン朝鮮大学教授)の協力を得て、韓国法(集合建物法)の翻訳を行った。②海外調査として、上記の理由からオーストラリアのシドニーで関係機関にてヒアリング調査を行い、また、今後の各国のマンション法制の最重要課題である老朽化ないし荒廃マンションに対する法的措置に関し、フランスの荒廃区分所有建物に関する法制・政策が注目に値することから、連携研究者(寺尾仁・新潟大学准教授)の協力を得て、フランスのパリで関係機関にてヒアリング調査を実施した。③東アジア法制の比較に関しては、韓国の釜山の東義大学にて、「都市の再生」に関する日・韓のシンポジュウムにて、マンションの再生に関する講演を行い、また、日・韓の研究者の討議に参加した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」に記載したとおり、欧米法と東アジア法とのマンション法制の比較という観点から、着目すべき最新の各国の法制及び実態を直接現地に赴いて各国の立法担当機関または一流の研究者や実務家から当該国の情報を入手すると共に、法制度やその運用や実態面の比較という観点から意見交換を行い、多くの成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度においては、東アジアの法制については韓国法を中心にしたが、ただ、同法は、現在、韓国法務部において改正作業が進行中であることから、平成28年度も継続して韓国法を調査研究し、特に改正法の動向(リモデリング制度等)に着目したい。2016年5月には、同法務部改正委員会の中心的役割を果たしているカンショクシン朝鮮大学教授(海外研究協力者)を招聘して、早稲田大学にて研究会を予定している。また、本年度の後半には、韓国のマンション管理の実態についての現地調査を行う。さらに、本年度においては中国の法制調査も行うことを計画していることから、中国の一流の研究者(海外研究協力者)を、日本で開催する研究会への参加および共同研究のために招聘する予定である。
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Causes of Carryover |
2015年度に日本で開催する研究会に、共に海外研究協力者である、韓国の朝鮮大学のカンヒョクシン教授と中国の浙江工商大学の権承文教授を招聘する予定であったが、カンヒョクシン教授の都合により来日が困難となり、2016年度に両教授を招聘することにした。したがって、その招聘のための海外旅費として上記金額を2016年度に使用することにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年5月14日開催の早稲田大学で開催する研究会に上記2教授を招聘することになり、そのために上記金額を主として使用する。
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Research Products
(11 results)