2015 Fiscal Year Research-status Report
多国籍企業における研究開発のパフォーマンスに関する理論的・実証的研究
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15K03654
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
竹中 厚雄 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (30363899)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 国際経営 / 技術経営 / 経営戦略 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、主として下記の研究および作業を実施した。 1、文献収集とサーベイ、特に研究開発のオープン化(オープン・イノベーション)に関する先行研究の把握 1の作業を通じて、先行研究の状況と主要な理論・概念の把握、および研究課題の明確化を行った。研究開発の国際化とオープン化はともに、注目が集まり始めてからそれなりの時間が経過しているにも関わらず、近年でも活発な議論が行われている分野であることを確認した。しかし、両者の関係や、相互に影響を与えるメカニズムについては十分な検討が行われていない。特に、現代の多国籍企業において、研究開発の国際化とオープン化は同時並行的に進行し、相互に密接に関係することが予想される現象であるにも関わらず、それらを統一的な分析枠組みから理論的・実証的に分析する試みが先行研究では必ずしも十分になされていないことが判明した。 2、研究開発の国際化およびオープン化に関する企業レベルの特許データの収集・整理、および解析作業 2の作業については、東洋経済新報社編『海外進出企業総覧』、米国特許商標庁のホームページで公開されている米国特許データベース、米国NBER(National Bureau of Economic Research)による米国特許データベース、The Lens(https://www.lens.org/lens/)などを併用しながら、個別企業レベルで親会社・海外子会社双方の特許取得状況に関する大量サンプルのデータベースの作成作業を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、研究成果として公表はしていないものの、特許データの収集・整理作業、先行研究・関連研究の状況調査作業を中心に行い、おおむね順調に研究を進展させることができたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、昨年度までに収集・整理を行ったデータベースに、特許の共同出願データや引用データなどの新たなデータを付け加えた上で、日本企業の研究開発に関する全体的な傾向の把握を行う。また、企業訪問・インタビュー調査についても実施し、定性的なデータの補完を行う。 こうした研究調査の成果については、学会発表および査読付き学術雑誌等への投稿などの手段によって公表していく。
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Causes of Carryover |
予定していた訪問調査がスケジュールの都合上実現せず、次年度に繰り越すことにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度の助成金と合わせて、訪問調査の旅費として使用する。
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