2017 Fiscal Year Research-status Report
知識移転のネットワーク構造および戦略的意思決定がイノベーションに与える影響
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15K03684
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
中内 基博 青山学院大学, 経営学部, 准教授 (20339732)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 知識移転 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、ミクロレベルの研究としては、エンジニア間のナレッジ・ネットワークを分析するべく、大規模な質問票調査を行った。まず、年度の前半は、前年度のレビューやインタビュー調査をもとに、配布先企業との綿密な打ち合わせの下、質問票の設計を行った。先方企業との質問項目のすり合わせに、予想外に時間を要した関係で、予定より数カ月を費やした。その後、質問票を上場企業のエンジニアを対象に大規模に配布した。また、その上司に対しても異なる質問票を配布した。それらの配布物はいずれも直接郵送にて回収した。回収率は80%を超えるなど、予想通りの進捗であった。年度後半は、それらの膨大な質問票の打ち込みを行い、変数化し、データベースの構築を行った。これには数か月を要した。それらのデータベースをもとに基本的な分析を行い、データベースの信頼性を確認した。同時並行に、新たに入手した最新の特許データによるネットワークの構築を行った。質問票及び特許データによる知識移転ネットワークを構造化することによって、分析の前段階をほぼ終了することができた。 他方、トップ・マネジメントからのアプローチでは、先行研究レビューを行い、分析モデルの構築に努めた。近年の当該研究分野の拡張的な発展もあり、予想以上に時間を要しているため、来年度も継続して行う予定である。 なお、これまでの研究の初期の成果として論文1本が本年度4月に海外ジャーナルに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
質問票を設計するにあたり、先方企業との文言や内容のすり合わせに予想外に時間がかかったことがあげられる。また、質問票の回答が膨大であるため、打ち込みの補助要員を数名確保する必要があり、彼らの打ち込み結果をチェックするのにかなりの時間を要したことも遅れにつながったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、分析用に新しいパソコンを一式購入し、分析を進めていくことを考えている。分析は多岐にわたるため、かなりの時間を要すると予想される。また、最新の研究動向の調査および研究者との打ち合わせのため、複数の国内外の学会への参加を考えている。
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Causes of Carryover |
予定していた海外出張が、先方の教授の都合により日本にて打ち合わせを行うことになったため、出超額が予想よりも小さくなっている。 次年度以降は、最新のパソコンを一式購入することと、国内外の学会への参加を予定しているため、差額は解消されるものと考えている。
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