2015 Fiscal Year Research-status Report
高度化する現代医療における市民協働とシティズンシップの可能性に関する社会学的研究
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15K03850
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| Research Institution | Akita Prefectural University |
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Principal Investigator |
小松田 儀貞 秋田県立大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (00234881)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| Keywords | 医療 / 市民協働 / シティズンシップ / ナラティヴ / 患者会 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、初年度として以後の計画の基盤を作る期間として位置づけている。本研究の柱①医療におけるシティズンシップ論の有効性の検証を進めると共に、初年度ということもあり、②がん医療における医療者と患者との協働、③地域医療と包括ケアにおける住民参加および連携・協働の取り組み、④医療・福祉の多職種連携を通して医療・福祉クライアントとの良好な関係構築を模索する活動、それぞれの概要把握を行った。
①については、専門職とクライアントの関係を「ナラティヴ」の視点から認識しようとするアプローチについての研究に着手した。また、②③④の課題の対象組織および地域である、がん患者団体「カトレアの森」（仙台市）、国保藤沢市民病院（一関市）、ものがたり診療所（盛岡市）および関連団体をそれぞれ訪問・視察し、主要関係者への聞き取りと資料収集を通じて活動実態の概要把握を行った。
以上を通して、患者会、地域住民参加の集会・研究会等の様々な契機を通じて、医療者が多職種間の連携を強めると共に医療者総体として患者（クライアント）とのより深い相互理解を図ろうとする傾向が以前に増して強まっていることが確認できた。これらを踏まえ、特に最近活動が活発化しているがん患者団体の活動事例として注目される「カトレアの森」についてその活動の概要、背景について検討し、論文にして公表した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象地・対象者の状況の概要把握など、申請書に示した平成27年度の研究計画に基づいておおむね順調に進行している。
対象地・対象者との関係構築、概要把握について一定程度の成果があった。その一方で、理論的研究において文献収集等はある程度進んだもののその実質的な検討にあまり時間が割けなかった。また、ものがたり診療所の活動など、当初の接触以後、状況変化が著しい対象地・対象者については十分追跡しきれていない部分もある。次年度以降にそれらをカバーする必要がある。
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| Strategy for Future Research Activity |
初年度に不足あるいは不十分だった点について若干修正の必要があるが、今のところ進行状況はおおむね順調なので、基本的にこのまま年次計画に従って、本年度の成果を踏まえて研究を進めていく。
理論的研究については探求が不十分だった特にナラティヴ論について考察を深めたい。
また、状況変化が激しいものがたり診療所周辺の動きについて訪問回数を増やすなどしてフォローを強める予定である。各組織・団体の代表者の生活史や社会関係資本・人的ネットワークに注目し、それらを明らかにするべく少し踏み込んだ聞き取りを行う予定である。さらに関係者周辺に少し聞き取り対象も広げ、新たなインフォーマントの発見に努めたい。これと並行して次年度以降の量的調査の必要性について検討する。
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| Causes of Carryover |
データ分析、聞き取り記録起こし等用にノートPCを購入予定だったが、適当なものが選定できず、次年度以降の購入に変更した。また、初年度で調査・学会出張が少なかったこと、近隣の移動が多かったため旅費の使用も予定より少額となった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
旅費等は当初の計画におおむね従うが、初年度の状況を承けて多少修正した使用を考えている。PCの購入およびPC関連費への支出、当初想定以上の補助作業の必要から資料整理、聞き取り記録起こし等のアルバイト謝金に相当額の支出を予定している。
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