2016 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の生活の質を維持・向上させる自動的心理プロセスに基づいた認知習慣の研究
Project/Area Number |
15K03945
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Research Institution | Aomori University |
Principal Investigator |
渋谷 泰秀 青森大学, 社会学部, 教授 (40226189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 諭 秋田県立大学, 総合科学教育研究センター, 教授 (40240486)
小久保 温 青森大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (50295953)
吉村 治正 奈良大学, 社会学部, 教授 (60326626)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 認知習慣 / 高齢者 / 自動的心理プロセス |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度には、生活の質、認知習慣、認知能力、未来展望、自己効力、意思決定方略、自己マネージメント方略及び習慣に関する尺度を加え、調査票を用いた郵送調査とウェブ調査を同一の内容で実施した。サンプルは、青森市の選挙人名簿からランダムに100名、秋田市と八戸市の選挙人名簿からそれぞれランダムに200名のサンプルを取り、全体で500名のサンプルとした。青森市の質問票の回収率は33.0%、秋田市の質問票の回収率は34.0%、八戸市の質問票の回収率40.5%;全体の質問票の回収率は、36.4%であった。全員に質問票とウェブ調査へのアクセス方法を送付し、質問紙かウェブ調査のどちらかで回答できるように設計したが、質問票での回答者は、182名(36.4%)と予測より少なかった。ウェブ調査の集計は分析中であるが、全体としてサンプル数が予測より低かったため、最初の計画にあるように、平成29年度には追加調査を行う予定である。 査票は、当初の計画に基づき、生活の質、認知能力、未来展望、自己効力、意思決定方略、の他に認知習慣として行動の選別方略、最適化方略、補償方略に関する尺度を盛り込むと共に、48項目のマネージメントスタイルを認知的生活習慣測定のベースとして用いた。①高齢者の生活の質を維持・向上させる認知的習慣を複数同定し、その認知的習慣が効果を発揮するコンテキストとの関連性を明らかにするためのデータの構築がおおむね完了した。②収集したデータに基づき、高齢者の認知習慣と生活の質、幸福感、自己効力、情動的加齢、及び意思決定方略などとの関連性を説明するための分析が実施できる状態である。③前項の分析に基づいて、生活の質の維持・向上に役立つ認知習慣獲得のために必要な方略の提供について検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の計画において、調査として実施することになっていた調査は全て実施済みである。しかし、サンプルの回収率が予想より少し少なめであったため、最終年度である平成29年度に、申請した計画書に記載されていたとおり、追加調査を実施する予定である。また、ウェブ調査のデータと質問票のデータの統合については、現在、検討を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画はおおむね順調に進展しているが、申請時の計画書にあるように、サンプル数がやや少なめなので平成29年度には追加調査を実施し、調査の信頼性及び妥当性の向上に努める予定である。
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Causes of Carryover |
申請時の計画では、サンプル数が600名であったが、当初200名を予定していた青森市のサンプル数が選挙の実施等で100名となったこと、また、予定していた学生アルバイトなどがうまく集まらなかったため、研究代表者と研究分担者が選挙人名簿からのサンプリング及びデータの入力などを行ったことなどから、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
データ収集が十分でなかった場合、申請時の計画に記載されている通り、最終年度に追加調査を実施し、実施計画通りに研究を進めることとする。
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