2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study of system1-based cognitive habits which may improve the quality of life among elders
Project/Area Number |
15K03945
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Research Institution | Aomori University |
Principal Investigator |
渋谷 泰秀 青森大学, 社会学部, 教授 (40226189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 諭 秋田県立大学, 総合科学教育研究センター, 教授 (40240486)
小久保 温 八戸工業大学, 工学部, 教授 (50295953)
吉村 治正 奈良大学, 社会学部, 教授 (60326626)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 自動的心理プロセス / 認知習慣 / 項目反応理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、具体的にどのような生活習慣や行動方略が、高齢者の生活の質を向上させるかを調査目的として、社会調査を青森市、八戸市、秋田市で実施した(各市で200名を対象とし、223名の有効回収数(有効回収率37.17%))。調査においては、生活の質(家族関係、友人関係、居住環境、仕事関係、健康関連、収入関係の6下位尺度(18項目))、社会認知(5項目)、政治的関心度(9項目)、認知習慣(16項目)、認知能力(10項目)、未来展望(10項目)、自己効力(16項目)、バルデスのSOCモデルに基づく4つの下位尺度(下位尺度;Elective Selection,Loss Based Selection, Optimization, Compensation(48項目))、詐欺脆弱性(5項目)等の変数と生活の質及び幸福感との関連性を分析した。 日常生活における選択(自主的選択と補償的選択)、達成行動の最適化、補償行動が主な日常的行動の方略として用いられた。これらの4つのSOCモデルの下位尺度は、全年齢の分析では、生活の質と幸福感とに関連性が見られた。しかし、非高齢者では、SOCモデルの4尺度と幸福感の間に0.23 から0.27の相関がみられたにもかかわらず、高齢者においては、それらの相関係数はほとんど0であった。高齢者における4つのSOCモデル下位尺度(認知習慣の指標)と友人関係及び仕事関係の生活の質との相関は、8つの相関係数の内、6つの値が0.4以上で、その最低値は0.37であった。高齢者における幸福感と生活の質の6つの下位尺度との相関は、0.23 から0.60と比較的高かったにもかかわらず、生活の質を向上する認知習慣であると考えられるSOCモデルの4下位尺度が高齢者では幸福感の向上に貢献していないメカニズムについては、今後、詳細な分析を行う予定である。
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