2018 Fiscal Year Annual Research Report
Building a Competency Model Based on Continued Employment of Intellectually Disabled Persons
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15K03957
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
根本 治代 昭和女子大学, 人間社会学部, 准教授 (70386340)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 知的障害者 / 障害者雇用 / 職場管理者 |
Outline of Annual Research Achievements |
企業の職場管理者へのインタビュー調査を2016年8月~2017年9月まで実施した。その結果をまとめ、2018年度は日本発達障害学会、日本社会福祉学会にて成果報告した。結果は以下のとおりである。知的障害のある従業員、一般の従業員、職場管理者との相互作用分析とともに、障害者雇用の実施時期から現在に至る取組みをとおして、組織の発達段階に関わる職場管理者の支援機能を明らかにするため、①初期段階、②発達段階、③発展段階、の3期に分け、時期毎の組織変容プロセスを分析した。その結果3つの概念、11の焦点コード、33のオープンコードを生成した。障害者雇用の初期は、「組織の統合性・明確性の指向に至るプロセス」として、知的障害に対する認識や経験の再評価と再解釈を通して、基礎的な問題解決技能の習得過程が示された。発達期には、「柔軟性のある思考パターンに至るプロセス」として、知的障害のある従業員の中期の中だるみの時期によるモチベーションの低下や職場内の不協和に対し、多様な課題に対応するための思考に基づく実践過程が示された。発展期は、「自律的組織としての変容に至るプロセス」として、組織自体が判断し地域とのつながりやネットワークの促進から従業員の満足感や自己効力感の向上による組織の発展過程が示された。以上の組織の変容過程から、Super(=2013:126)の職業キャリア理論における役割特徴と職場管理者の時系列的変化の追跡をとおして、初期段階には、①アドバイザー機能、②職場援助機能、③多職種連携機能、発達段階には、①対人援助機能、②情緒的サポート機能、③引きこもり防止機能、発展段階には、①アドボカシー機能、②情報機能、③就業意欲向上機能、について職場場管理者の多重役割の理解と役割に含まれる価値について検討できた。
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Research Products
(2 results)